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るべれてん 【 saylus : [根性] 】

[ジョブ]
サラリーマン
フリーライター
見習いカトリック信徒
エクソシスト

[レベル]
21

[称号]
割愛

[HP]
2051 / 5634

[MP]
315 / 645

 

 

 

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今日は卒業制作ネタ




Lubereten Croitzherre    

ルベレテン・クロイツェル





ルベレテン キャラ



Name ルベレテン・クロイツェル

Age 24才(に見えねぇよ

Sex

Charactor 腹黒、階級主義者で策略家

Job 魔術師 / 貿易商 / 間者

Talk 結構砕けた話し方。

About

ドレフュス帝国の皇帝に仕えるエレバン伯に拾われた孤児。
水属性の魔術師なのだが、孤児なので洗礼を受けられず、顔に刺青が無い。
なので種族はセイレーンだがドワーフとして潜伏出来る、とかそんな話もあるがそれはたった今考え付いた話であり、その内なんかに使うかもしれない。

エレバン伯は『民衆を無視した政治を、国を牛耳る存在になる為、全てを利用してやる』と言ったポリシーをお持ちで、ルベレテンは彼の道具として生きて行く事を誓約したのだが、実際エレバン伯がやっている事は人助け以外の何物でもなかったので、ふとした切欠でそれに気付いたルベレテンはエレバン伯に愛想を尽かしてエレバン伯の手駒から離脱。
それ以後、純粋なる『悪』の手駒になる事を求めて、貿易商として表向き仕事をしつつ、主君を探している。






さて、ちょっとこのキャラのストーリー練ってくる






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2009.09.20(22:55)|ショートストーリーコメント(0)TOP↑



[前書き]
今日は小説です。ぶっちゃけこんなの書いてる時間無いけど。

っつーかいつもの様にあらすじ?です。

Je suis revenue.は、フランス語で、和訳すると『おかえり(直訳:今帰ったよ)』となります。
中年のフレンチコートを着てタイをして、エンジニアブーツを履いたおじさんが外套を脱いで
帽子をラックにかけて、『ただいま』と言う様な雰囲気が出ればいいなーとか思ってます。
何と言うか、カッチェルエイ=ラスティの鉄橋と同様に、無色透明なイメージの話に出来れば
いいな、と思うんだ。


お兄さんのイッヒロマンな若干ビカレスク風味のプロット行くよー!!







 私はこの靴が大好きだ。
長年履き古して、硬化してしまったこの革靴が大好きだ。
人はこの革靴を、襤褸と言い嫌悪感を露にして、火に投げ込むだろう。
しかし私は、そんな輩にこそ嫌悪感を覚える。

 この革靴を入手した当初は、誇らしさで胸がいっぱいだった。
私に合わせてしつらえたと靴職人は自慢げに言ったが、とても窮屈な靴だった。
長距離を歩けば足の皮が剥け、山道を歩けば幾度も肉刺が出来ては潰えた。
 それでも私は、この靴を手放さなかった。否、手放せなかったと言った方が正しいだろう。
 この靴こそが私を証明するものであり、私の全てであるからだ。

 幾年も履き続けたこの靴は、今ではもう完全に私の足にフィットしている。
 何度取り替えたか知れない靴紐を固く結んだ後、軽く脛を叩く。
その行為自体には、正直な所意味は無い。が、気がついたらいつもやっている癖だった。
 私は外套を羽織り、剣を腰に携えた所で軽く手を挙げ、一言呟いて玄関扉に手をかけた。
 先程まで私の後ろに居た女は一言呟いた後、穏やかな笑みを浮かべて驚愕の表情を浮かべた。

私はその時、彼女に「あぁ、ただいま」と呟いただけだった。
彼女もまた、靴紐を締めていた私に「お帰りなさい、ギロー」と声をかけただけだった。





 家を出て歩いていると、やがて石碑の前に着いた。
 私は、その石碑をよく知っていた。
子供の頃に毎日見ていた、短文が刻まれただけの石柱。
 風化したのか、または元々そんな形だったのかはわからないが、角の取れた石碑には、こう刻まれていた。

 『汝が為に』

 汝が為に、私は。
 腰に携えていた短剣を鞘ごとホルダーから引き抜き、石碑の前に静かに置いた。
 汝が為に、私は・・・。
こんな些細な事しか、出来ぬのだから。

 それから私は何時間も歩き、見慣れた書斎へ足を運んだ。
本の山、本棚に収まりきらぬ本、資料、紙片、食べかけのパン、片付けていない皿、コップ。
全てが雑多に置かれた部屋で、幾何学的なラクガキの中心に立ち、呆然と壁を見る。


―― おかえりなさい。
―― ただいま、今帰ったよ。











 城壁の中にある、豪勢な牢獄。
騎士や兵士が歩き回る為、スパイクの穴だらけになった最高級の絨毯。
国を象徴する紋章が刺繍された、手触りのいい垂れ幕。
規則正しく並べられた、大きな石の壁。
贅沢な素材が潤沢に使われている、華やかでありながら冷たくも美しい牢獄。
私は、そこに立っていた。
 鈍重な扉の前に何時間も立って、たまに見回りに訪れる赤い槍の騎士長に会釈をし、
そしてまた何も言わず、ただ槍を携えて立ち続ける。
たまに夜勤が入ったりして、真っ暗な城内を松明の灯りを頼りにして歩き回る。
人から見れば、ただそれだけで高額な給料をもらえるし、名誉な仕事だろう。
ただ、私はこの生活に飽き飽きしていた。

私は、人の為、国の為に兵に志願したハズだった。
だのに、私の仕事は大きく違うではないか。
ただ突っ立っているだけじゃないか。
それだけで、国の為になるものか。
私にはもっと、別の事が出来るはずだ。
別の仕事を。人の為になる仕事を、人の為の糧を。



 ある日、私はいつもの様に槍を携え、ただ呆然と立っていた。
そこへ、紅いマントを翻し、赤い槍を背に負った騎士長を見た。
 一体、彼はどこに行くのだろう。
彼の背には、この国の王がいた。彼が王を護衛していると言う事はわかる。
しかし、彼らの殆どが長旅に備え、荷物等を点検していた。


「一体、彼らはどこへ行くのだろう。」


 億劫そうに、隣の衛兵が口を開く。


「前線に出兵なさるんだと。
 ドレフュス帝国との戦況が芳しくないから、直接指揮を執るらしいぜ。」

「戦況?
 と言う事は、帝国と戦争していたのか?」

「何を寝ぼけた事を言っているんだ。
 数ヶ月前に、国境沿いでドレフュスの人間が反乱起こしただろ?
 で、ドレフュスも我が国も、協力して反乱を鎮圧しようとしただろ?
 んで、うちのバカが間違えてドレフュスの兵隊さんを射殺しちまって、そっから戦争になっただろ?」

「いや、知らんな。初めて聞いた。」

「はぁ?
 お前、どんだけ情報に疎いんだ。これ位知っとけよ。」

「済まんな、善処する。」

「はぁ・・・。」


 これはチャンスだ。
私はそう思って、心の中でほくそ笑んで、槍を持ち直した。






 それから何日かして、私の制服が変わった。
近衛騎士の着る、灰のチュニックに金の鎧、紅いマントではなく、義勇兵の着る、黒く煤けた鎧に
藍のチュニック、そして褐色の、フードの着いたマントを着ていた。
 近衛騎士団に辞表を提出するつもりだった。実際、辞表も書いたし上官に見せた。
が、上官はそれを受けることを拒否した。
 どちらも国を守る仕事だ、近衛騎士団には籍を残しておくから、存分に戦って来い、と言われた。
私はそれを受諾し、ソードランスを手に取った。


 噂通り、戦況は芳しくなかった。
話を聞くと、そもそもの原因となった事件は冤罪らしい。
ありもしない事件を仕立て上げられ、奇襲を受けて友軍は完全に士気を失っている。
だから国王が直々に指揮を執っているが、それでもなかなか士気は上がっていないらしい。
 私はそれを聞いて、弓台となっている見張り塔へ登り、兵に呼びかけた。


「故郷に守るべき者を残してきた者は、手を胸に当てろ。
 国を憂いている者は、手を胸に当てろ。
 そして、死にたくない者、戦う理由が判らぬ者は、手を胸に当てろ。
 私もその一人である。諸君らと同じく、私も手を胸に当てて、自身の言葉を聞く事とする。

 貴様らが持っている剣は、槍は、弓は、何の為にあるのか。
 確かに人を殺す為であるだろう。
 ただ、武器は人を殺す為だけにあるのではない。
 人を守り、国を守り、ひいては己を守る為にあるのだ。
 それを踏まえた上で、再度貴様らに問おう。
 何故、貴様らはここに居る?
 何故、敵を殺め続けている?

 貴様の戦う理由が、誰かを守る為、国を守る為としよう。
 このまま我らがやる気を喪失し、負け続けていればどうなるか。
 クェードは敵の手中に墜ち、老若男女構わず殺められ、辱められるだろう。
 そして、守るべき者も守れぬまま、とこしえの眠りにつくだろう。

 貴様の戦う理由が、死にたくない、わからないとしよう。
 このまま我らがやる気を喪失し、負け続けていればどうなるか。
 兵士、一般人関係無く、残らず殺められてしまうだろう。
 死にたくないと言う理由で戦っているのならば、本末転倒しているのではなかろうか。
 わからないけれど戦っているのならば、負けてしまっては尚更わからなくなってしまうのでは
 なかろうか。
 そうして、何も判らないまま、漠然とした恐怖に苛まれたまま、とこしえの眠りにつくだろう。


 貴様らはそれでいいのか。
 私は、それではいけないと思う。
 国を守らなければならない。守るべきものが、私にはある。
 死にたくはない。私には、まだやるべき事がある。
 だからこそ、守る為に、死なない為に、今こそ戦うべき刻ではなかろうか!
 敵と戦い、己と戦い、そして勝利を得る時ではなかろうか!!

 今こそ、鬨の声を上げる時である!
 己の為に、敵の為に、守るべき者の為に、共に死なぬ為に、武器を取ろうではないか!!」



 そう言って武器を掲げると、周囲に鬨の声が満ちた。
いける。これなら行ける。
私はそう思い、途方も無い充足感で満たされた。






 それから何週間か、私は戦いに明け暮れていた。
ソードランスで敵を薙ぎ、奪回した地に旗を立て、防衛線で敵を一掃し悦に浸っていた。
毎日泥に塗れ、血に塗れ、心の底から嗤っていた。

 見ろ、私はこんなに強い人間だ。
 国を守れる。人を守れる。普通の人間を超越した、強靭な楯となれる、確固たる楯である人間
だ。


 
 やがて戦争は終わり、私は元の職務へ戻る為に、王都クェードへ戻った。
王都へ戻った私は、とても充足した気分で日々を過ごしていた。

 私の守った物は、何て素晴らしいんだろう。
 豪勢な牢獄、寂しくも美しい箱庭、日々の糧を求める為に、その日を生きる為に、そして
死へ着実に近付く為、死から目を逸らす為に、働き続ける人々。
鬱屈したこの箱庭を、ある一定のサイクルで廻り続けるこの箱庭を、私は守ったのだ。

 私は、私の守った物がどれだけ下らなくて、どれだけ空虚で、どれだけ美しく素晴らしいのか
見て回る為に、今までは仕事が終わったら直帰していたのだが、次第に寄り道するようになった。
 ある日、夜勤明け、仕事帰りに興味本位でファミレスへ寄り、ワインとカルボナーラを注文し、
タバコに火をつけ食事を待っていた。
 私の隣には、子連れの2家族が座っていた。かしましくメニューを取り合いし、開き、指差して
いた。
 あぁ、私の守ってきたものは、こんなに素晴らしいものだったんだ。
騒擾ではあるが、とても小さくて大きな幸せを守ったんだ。
私はとても嬉しくなって、上機嫌で煙草をふかしていたが、ふとレジの方を見ると、男とウェイト
レスが言い争っているのが見えた。


―― 何だ、喧嘩か。
―― 助けてやるべきか、否か・・・。

 いいや、そこまで正義の勇者面をしなくてもいいだろう。
私の仕事はあくまでも国を守る事であって、国内の治安を守る事ではない。
そんな事は、憲兵にでも任せておけばいい。
本当に事件になるようだったら、それは助けなければならないが。
言い争い程度では、何も問題は無いだろう。
 実際の所、実に問題はあるのだが、先程噛み締めた幸福感、達成感を咀嚼する事に忙しかった
私は、そんな事まで気が回らなかったのである。
 ・・・それが、私の誤算だった。

 隣の席に座っていたハズの子供が、ふと気付くとレジでウェイトレスと言い争っていた男の
隣に立っていた。
 そして、店内全域に聞こえるような声で、こう言い放ったのだ。


「おじちゃん、人を困らせるような事、いっちゃいけないんだよ。
 人を困らせちゃうようなわるーい人は、パパみたいなせいぎのみかたにやっつけられちゃう
 んだよ。」


 言い争っていた男は、子供にこう言われ逆上し、腰の剣帯に装着していた短剣を子供の喉元に
当て、抱え上げた。


「いいか、レジから金を出し、この袋の中に入れるんだ。
 ちょっとでも変な事をしてみろ、こいつの命はないぞ。」


 何とテンプレート的な返答だ、と思いつつ、やれやれ、面倒なことになったな、と呟きながら、
私は席を立ち賊を捕えようとした。
 が、隣にいた家族の父親二人が先に立ち、賊の前に立ちはだかった。


「てめぇは俺を怒らせた。
 久々の休みを潰しやがった罪、たっぷりと償って貰うぜ。」

「さぁて、私の子供を放してくれないかな。
 そしてちょっと私と、憲兵隊派出所に行こうか。」


 そうか、彼らは憲兵なのか。
それならば、一介の近衛兵如きが首を突っ込んでいい空気ではないな。
私はそう思って、事の成り行きを見守る事にした。

 人質を取っている賊は、当然の事ながら、人質の父親であろう憲兵隊員の子を放す事はしな
かった。むしろ、金を取る事を諦めたのか、道を開けろ、逃がせ、と短剣を振り回し、叫んでいた。
 人質の父親であろう憲兵隊員は、暴れまわる賊にため息をつき、構えていた短剣を下ろした。
それを見た賊はほくそ笑んで、次は道をあけろ、と短剣を持っていた腕を挙げた、そのとき。
人質の父親であろう憲兵隊員は、持っていたナイフを投げた。そのナイフは円を描きながら、
賊の手を貫いた。
 もう一人の憲兵隊員と賊は、目を見開いて人質の父親であろう憲兵隊員を見遣った。
しかし人質の父親であろう憲兵隊員は、まだ『さて、私の子を放してくれないかな。怖がってる
じゃないか。』と、能天気に言った。
 しかし往生際の悪い賊は、尚も抵抗しようと、怪我をしていないもう一方の腕で、人質の子供の
首を絞め始めた。


「お、おい、ガロンヌ、やばくねぇか?」

「大丈夫だ。直ぐに全て終わる。」


 ガロンヌと呼ばれた男は、背負ったクレイモアを鞘から抜き、賊に一歩一歩近付いて行った。
賊の腕に力が篭もる。人質は顔面蒼白で、暴れる気力も無いらしく、ただじっと首を絞められていた。
やがてガロンヌが賊の前に立つと、クレイモアを振り回して、賊の首を刈り取った。
 賊と人質は力なく崩れ去り、人質は解放された。

 そんな一連の様子を、ただ見ているだけだった私は、彼らを褒め称えようと席を立った。
が、それと同時に、もう一人の憲兵隊員が人質に近付き、抱きかかえる。


「おい、おい、しっかりしろ、イゼール!
 今病院に連れて行ってやるからな、しっかりしろ!!」


 恐らくその子の父親であろうガロンヌは、もう一人の憲兵隊員に、親と思えぬ口調で言う。


「あぁ、諦めたほうがよさそうだね。
 息してなさそうだし。連れてくだけ無駄だと思うよ。」

「ガロンヌ、何ふざけて・・・」

「だって、大人の男に力いっぱい首を絞められたんだよ。
 普通、死んでるって。」

「てめぇ!!」

「まぁ、私は憲兵派出所に報告してくるよ。
 イゼールを頼んだぞ、多分無駄だと思うけど。」

「そんな言い方しなくてもいいだろ!!
 てめぇ、曲がりなりにもこいつのオヤジだろ。諦めんなよ、見捨てんなよ!!」

「何、子供一人居なくなったとしても、もう一人作れば問題無かろう?
 ロワールだって、弟か妹を欲しがっていたじゃあないか。」

「だから、それとこれとは話が別だろうがッ!!」

「何が違うって言うんだい。
 子供が死んじゃったら、また新しく作ればいいじゃないか。
 そうすれば元通り、だろ?」

「違う、絶対に違う!!」

「全く。男のヒステリーは醜いぞ。」

「てめぇっ、ふざけんのもいい加減にしろよっ!!」


 もう一人の憲兵隊員はガロンヌに殴りかかろうとしたが、子供を抱えている事を思い出し、
右手を引っ込めた。


「とりあえず、デュローヌ。
 ロワールを頼んだぞ。」

「・・・・・・。」


 デュローヌは無言でガロンヌをきっと睨み付けて、子供を抱えて外へ走り去って行った。
そんなデュローヌを眺めていたガロンヌは、彼の姿が見えなくなった事を確認して伸吟を漏らし、
クレイモアを鞘に収め、奥さんであろう女性に向き直った。


「カタリハ、私は派出所に寄ってから家に帰る。
 ・・・今夜は覚悟しておけよ。」


 呆気に取られた、彼とデュローヌの奥方であろう女性二人をその場に残し、ガロンヌは早足で
外へ出て行った。








 私はその夜、絶望感に苛まれていた。
私の守ってきた国は、民は、こんなものだったのか。
素晴らしいと思っていた物は、こんなに薄汚かったのか。
美しいと思っていた物は、こんなにも醜悪だったのか。
私は、クズの様な物を、身命賭して守ってきたのか。

 何もかも、馬鹿馬鹿しくなってきた。
私は何故、こんな物を守ってきたのだろう。
私は何故、こんな物を守る為に命を賭すと決意したのだろうか。
馬鹿だ。私は、途方も無く馬鹿だ。


 国を守るという大義名分を失った私は、新たな大義名分を探す事に躍起になっていた。
人を守る為に武器を取るか。否、こんな屑の様な人間を守ってたまるか。
・・・大事な人を守る為に、武器を取るか。

・・・・・・そう言えば、私には家族が居たな。
旧リット王国領、ペパン王国とリット王国の国境沿いにある村、ヨークウェイレン。
始めは、私の妻、そして幼い娘を守る為に、剣を取っていたはずだ。
もう何年も連絡を取っていない。
・・・元気だろうか。
・・・・・・私の戦う理由と、なり得るのだろうか。



 次の日私は、赤い槍の騎士長に休暇届を提出した。
騎士長はそれを快諾し、私は単身敵地へ、私の故郷へ、旅に出る事になった。



 私は驚愕した。
育った家、私の家、全てが跡形も無かった。
燃やされたのだろうか。潰されたのだろうか。若しくは、風化し切ってしまったのだろうか。
原因はわからない。が、兎角そこに『無かった』のだ。

 ・・・思い出した。
私の奥さんは、異種族だった。
私は純粋なハーミットだ。そして、彼女はドワーフだった。
ハーミットの寿命は長く、ドワーフの寿命は短い。
・・・・・・つまりは、彼女はもうこの世には居ないだろうと言う事だ。
私の守ってきた者は、塵だ。クズだ。
私が守りたいと思った者、忘れていた者は、もう私の手中にはない。



「「「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあああああああああああああッ!!!!!!!!!!」」」




 私は喉を振り絞り、肺を振り絞り、声にならない声を出し続けた。




 私は喪失感を抱えたまま、王都クェードに戻った。
部屋へ戻り、机上に沢山積まれた手紙を見た。
 文字はインクが薄まり読めなくなったのも多々あったが、一番最後に書いたであろう手紙は、
はっきりと読めた。

『娘を亡くし、貴方を失い、私には生きて行く気力がありません。
 ありがとうございました、またお会いしましょう。さようなら。』


 守るべきものは、とうの昔に失っていたんだ。
私はそれに気がついた時、失ったモノを取り戻す事を考えていた。





 それから私は何時間も考え、ふと見慣れた書斎へ足を運んだ。
本の山、本棚に収まりきらぬ本、資料、紙片、食べかけのパン、片付けていない皿、コップ。
全てが雑多に置かれた部屋で、幾何学的なラクガキの中心に立ち、呆然と壁を見る。
 二言三言呟き、真っ白な世界で、二三歩歩を進める。

 ヒカリの向こうで私は、『おかえり』と彼女に言うだろう。
そして彼女は私に、『おかえりなさい』と言うだろう。


 刻を遡りて、守るべき者を再び得・・・。






 魔法陣から、一人の男が現れた。
その男は紅いマントを着、金色の鎧を纏い、灰のチュニックを着ていた。
男は自宅の扉に手をかけ、屋内に侵入する。そして、軽く手を上げて、『ただいま』と言った後、
会社帰りの男がそうするように、しれっと玄関で靴を脱ぎ始めた。
 この靴は、義勇兵に志願した時にオーダーメイドで作った靴だ。
始めの頃は足の皮が剥けたり、肉刺が出来たりしたが、今ではもう慣れてしまってそんな事は
なくなった。
 やがて、部屋の奥から女がやってきた。
女は玄関で靴を脱いでいる男を見るや否や、驚愕の表情を浮かべた。
そして、嬉しそうに微笑んで、『お帰りなさい、ギロー』と声をかけた。
靴紐を緩めていた男は、『あぁ、ただいま』と返しただけだった。
 






≫「Je suis revenue.」の全文を読む
2009.09.07(00:12)|ショートストーリーコメント(0)TOP↑

*今回は、覚書と言う事で、キャラ紹介だけです。明日書くかもしれない。っつーか書きたい。
頭の中で半年以上考えてた作品なので、いつか形にしたいものです。

蛇足ですが、時系列にまとめてみる。


主人公:セヴラン
【 陶酔のシュヴァリエ 】

自己陶酔じゃないよ。

セヴランの人生、壮年期まで描く予定。
死に際は背徳のシュヴァリエに移るので、ル・ガルーが出てきたら主役交代。
・・・とは言っても、最も登場期間の長い騎士はこいつじゃなかろうか。




主人公:ル・ガルー
【 背徳のシュヴァリエ 】
赤い槍の騎士が背徳感を感じまくるお話。
最も年齢制限がかかる話が多いだろうと思われる部分。
っつーか、頭の中にあるプロットで言えば、唯一年齢制限がかかり、おまけに
20禁くらいになりそうなハードなモンばかりしか無い部分がここ。
・・・そのせいで続きが書けないってのは内緒。



主人公:グラスティ
タイトル未定。話もあまり決まってない、けど、ジョナサン・ジャックレム氏との
熱く激しい戦争のお話になると思う。
・・・グラスティが一番不憫なポジション。



主人公:エルフェス・タイユフェール
【 吟遊のシュヴァリエ 】
エルフェスいいよエルフェス。
私の中で最も動かし易いキャラ。
自由奔放フリーダム。リナルディの自由度を150%増しにしたカンジ。
人生、一番楽しんでます。





【 陶酔のシュヴァリエ:主要な登場人物 】

[ セヴラン・パテクリッガ・タイユフェール ]

『 魔術師 』 タイユフェール家を興した張本人。
元々は戦争孤児。父親は傭兵、母親は遊女だが、孤児院に置き逃げされたので
親を知らない。
ひょんな事からサイラスと共に旅をして、緋色のアクアレジアを行使する。

ジョーク好きで裏表が無い性格。
しかし正義感の塊とは程遠く、自分の希望・願いをさり気なく叶える為には手段を厭わない。
が、そうは言ってもサイラスの様な名士ではないので、彼の思いつく作戦は極めて子供の
イタズラに近い。


パテクリッガは、緋色のアクアレジア行使後の世界でリット王国の国王より
授かった名前。
蛇足だが、パテクリッガは『善良な父』の意。
ル・ガルーへの布石となっている・・・のだが、ぶっちゃけル・ガルーの数倍キャラが濃い。



[ サイラス・クィヴェンタモーエン・ロズリット ]

名前が長いのは、彼が貴族だから。
リット王国の、前代国王の庶子。現国王の叔父。
だが、前代国王が僅か25歳で召されたので、現代国王は僅か6歳。
前代の叔父とは言え、妾腹の子なので位は高いが名前だけ。
実権は宰相が掌握しており、実質的にサイラスの権力は皆無。
だからこそ、士気を鼓舞する為に司令官として戦争へ送り込まれる内に、兵法の分野で
才能を発揮し、勇猛さと理知的さではリット王国で右に並ぶ者が居ないと言われる程の実力者
に。
しかし、野蛮かと言えばそうでもなく、与えられた仕事を黙々とこなしているだけなので、
名将ではなく政治家(宰相)の傀儡になりきっている、と言った方が近いか。


寡黙で感情を余り表に出さず、溜め込むタイプ。
故にヒステリーを起こすと酷いのだが、それはまた作中で。
策士だが宰相に消される事をとても懼れているので、宰相の傀儡となっている。
冗談など全く通じない位のカタブツで、おまけに理知的なんだから手に負えない。
PLのファンスとはまた違った味が出るキャラではなかろうか。


ミドルネームのクィヴェンタモーエンは、求道者の意。




[ クレフィー・ムッセ・キャロイリー ]

サイラスの上官。女将軍。
リット王国を牛耳っている宰相の末っ子で、女だてらにサーベルを振るう。
元々宰相は『赤い槍(ガ・ジャルグ)』の騎士団(≒近衛騎士団)の騎士長だったが故に
将来国王をお守りする為、男として育てられた。

快活に笑い、賭博を好み、戦場では獰猛な叫びを挙げる、見てくれはカワイイ女の子なのに
性格はまるっきし野郎。野郎っぷりのいい野郎そのもの。







[ シナ・ガイウェル・グランツォード ]

『緋色のアクア・レジア』後、つまりはセヴラン青年期に出てくるおっさん剣士。
傭兵。金遣いが荒く、酒もタバコも喧嘩も女遊びも派手にやる、いわばゴロツキ。
性格は大いに問題アリだが剣の腕はピカイチであり、傭兵団の中でも突出している。
でもその性格故に、傭兵団の他のメンバーからは距離を置かれている。

そんなシナだが、色々あって年下であるハズのセヴランに忠誠を誓っている。
なので、セヴランの良い護衛役・・・・・・になるかと思いきや、青年セヴランの
教諭として活動したりするので、性格は悪いけど色々役立ってくれるキャラ。
俺、こんなキャラ大好きです。悪漢騎士。

部下にバジル・ロヴステフェ・カレンザやヨーカ・ヴェリーチェ・ハイネンと言った方々が居るが、
これはまた後で説明しよう。









最近何だか、自分で作った世界が、ビー玉の様に安っぽい世界だと思えて来たよ。
以前は、頭の中の俺の世界が、琥珀のように不透明で、全てがぼんやりと見通せて、
それで居て一つとして同じパーツの無い、美しい世界だったのに。
19歳の俺の世界を表現出来なかったのが、とても残念だ。
・・・でも、19歳の時点で陶酔のシュヴァリエと背徳のシュヴァリエのプロットが煮詰まったから
よしとしようか。

小説は、人に読んでもらいたいから書くんじゃあない。
自分が表現して、何らかの形にしたいから、小説を書くだけだ。




自分の世界を、少なくとも自分だけが楽しめればそれでいい。
他人の基準なぞ、他人にしかわからない。おまけに他人は膨大に居るんだぜ。
一人ひとりのニーズに合わせてられっか。





ってワケで、需要無視で書き続けるぜ!!








2009.04.13(03:02)|ショートストーリーコメント(0)TOP↑



 *今日の小説は本当は裏行きなんだけども、大人の事情(背徳のシュヴァリエ関連だから)
  でこっちにのっけるから、子供は見ない方がいいと思うよ。


*また、本人でも笑っちゃうくらいヤンデレデレにしてリディクラスなので、
それ目的の方はちょっとオススメしない。
因みに俺の大好きな分野なので、ある意味スタンダードハイレベルなモノを許容出来る
方じゃないとダメかもしれない。

因みに本題のAVとは、Another versionの略。









 甲冑を着て柵にもたれている男は懐に手をやり、独特な匂いのする葉を取り出して
それに火をつけた。柵の中の女はそれを見て顔を少し動かしたが、それだけだった。

「喉が渇いただろ?葡萄酒でも取ってくるか?それとも、腹が減ったか?
 パンでも持ってくるか?」

 男は葉を咥えながら、後ろに声を投げかけた。女は毛布の中で身じろぎもせず、ただ
じっとしていた。男はそれを肯定と取ったのか、腰を上げて扉の方へと歩き出した。
毛布を被った女は扉が閉まる音を確認すると、横たわったまま胸で手を組んで、

「ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさい・・・・・・」

ただ、そう何度も何度も呟いた。涙を流しながら、幸福そうに笑って・・・。








 男は目の前に立っている、体中傷だらけの若い男の喉に向かってナイフを突き出し、
その男の首輪を取り外した。
首輪を取り外された男を含め、その場に居た全員がぎょっとして甲冑を着込んだ男を凝視する。
訝しむ視線に動揺する事もなく、男は先ほど首輪を外した男に向かって、

「お前はもういい。卓の上にある甲冑一式を持って、それに着替えてこい」

 と言い放った。
先ほど首輪を外された男を始め、甲冑を着た男を除外するその場に居た全員が驚愕の表情を
浮かべると、男は気だるそうに『何だ、奴隷の分際で主人の命令が聞こえないのか?
今からお前達の首輪を取るから、一人一式づつテーブルの上の甲冑を取って、それに着替えて
こい。何、悪いようにはせん』と言って、別の男の首輪を外そうと手をかけた。
 最初に首輪を外された男は暫し呆然としていたが、辺りの促すような視線を感じ、白銀の甲冑
一式と深紅のマントを手に取って、奴隷とは言え主人にあてがわれていた個室に向かう為に
ドアノブに手を伸ばした。すると、苦心して首輪を外そうとしていた主人は彼に振り向き、

「ああ、そうだ。ついでに葡萄酒と出来るだけ柔らかいパンを持って来てくれたら助かる。
 強制はしないがな」

 と、無表情に話しかけた。
扉側の男は両手一杯に持った甲冑を、がちゃがちゃと言わせながら苦心して片手で持ち、
もう片方の手で敬礼をしてその場を立ち去った。


 卓上に壊れた首輪の山と、ビンテージ物の葡萄酒、柔らかな白パンがバスケット一杯に
並ぶ頃には、先ほどまでみすぼらしい格好をしていた男達は一人のこらず立派な甲冑に
身を包んでいた。彼らは甲冑を着慣れていないので真っ直ぐに立つ事は出来ず、時折隣人と
鎧をぶつけては耳障りな金属音を発生させていた。
 そんな、自らがたった今結成した、見てくれだけは立派な兵団の中心に立って、奴隷達の
主人は伸びかけた髭を擦りながら、無表情に眺めていた。
 不意に主人は背中のホルダーに手をかけ、12フィート程もあるガ・ジャルグを取り出した。
主人の目の前に居た奴隷は目を見開き、一驚の声を上げようとした矢先、主人は槍の穂先を
目前の奴隷の頭の真上に乗せ、ガチンと金属と金属がぶつかる嫌な音を発生させた。
奴隷は殺されるのかと思い、胸の前で手を組んだ。

「これから私の言う通りにしろ。いいな?」

 主人は威厳に満ちた声で彼に命令し、彼は首をこくこくと上下に振った。

「跪き、私の言葉を復唱しろ。手はそのままでいい」

 奴隷は頭を垂れ、主人の言いつけに従う。

『私は自由人であり、私は正義の忠実なるシモベであり、私は来る聖戦の最前線で戦う。
 私の正義は国王陛下であり、私の命もまた国王陛下のものである。
 私は、恒久に自由であるゲッシュを捧ぐ。また、前途の発言を生涯忘れぬゲッシュを捧ぐ。
 天が落ちきたりて、我を押し潰さぬ限り、我が誓い破らるることなし』

 奴隷が言い終えると、主人はガ・ジャルグを再びホルダーに仕舞い込み、部屋の隅にあった
木箱の中から4フィート程のクレイモアを引き抜き、抜刀して再び奴隷の前に掲げた。

「この剣に誓え。
 今の誓いを、死しても忘れぬと。
 誰の為でもない、己の為に剣を取ると」

 奴隷は驚きの余り口をぱくぱくさせていたが、『とっとと誓え』と主人が睨むと、覚悟を決めた
奴隷は『誰の為でもない、己自身に誓います』と短く答えた。

 主人は満足気に叙任されたばかりの騎士を見下ろし、ふんと鼻を鳴らしながら顎の無精髭を
擦った。

「いいか、お前達。
 これからお前達に残らず騎士の称号を授けてやる。
 そして、その鎧もくれてやる。
 私がその鎧をくれてやった意味は既に理解出来ると思うが、一応説明してやる。
 その鎧は我がリット王国近衛騎士団、ガ・ジャルグ騎士団の鎧だ。
 だからその鎧を着てクェード城まで来れば、私は諸君らを友として扱おう。
 しかしその場合、それ相応の事はして貰うぞ」

 口の端を吊り上げ、主人は続ける。

「けれど、これは強制ではない。
 先ほど貴様に誓わせた誓約文(ゲッシュ)は、仮令天変地異が起ころうと破る事は出来ん。
 で、あるからして。貴様らには、自由がある。
 私の友となるか、この国を出奔して自由騎士として生きるか、選ぶ自由がある。
 何、その鎧があれば職に困る事は無かろう。あくまでも、護衛の仕事の範疇だがな。
 それでも給料はいいぞ。護衛ほど楽で稼げる仕事は無いと思うぞ?」

 くくくっ、と笑って、主人は別の男に向き直り、手で座るよう合図をしてからまた背中のホルダー
からガ・ジャルグ(赤い槍)を抜いて、先ほどと同じ様にした。


 暫くして全員の簡素な叙任式が終わると、テーブルの上にあったパンとワインを手に取って
男は扉に手をかける。


「・・・何をするのもお前達の自由だ。
 私はもう貴様らの主人ではないから、拘束する権利はない。どこへでも行くがいい。
 今までの恨みを晴らしたければ、いつでも相手になろう。一回くらいは殴られてやる。
 殺される気も殺す気も無いから、安心して来い。何、殴り返したりはせんよ」

 主人は扉を開けて階段を降り、やがて幾度も反響し続けていた固い足音も聞こえなくなった。
新任の騎士達は互いに顔を見合わせ、呆然とするしかなかった・・・。








以下、スーパー全裸タイムなので追記にて。


≫「Pray for prisoners. 前編 - AV至福のシュヴァリエ - 」の全文を読む
2009.04.01(00:22)|ショートストーリーコメント(0)TOP↑


 ファンス・ライサントの機嫌は、最上級に悪かった。
彼は朝起きて朝食を取り、身支度を整えて出勤し雑務をこなした後
トレーニングをして昼食を取った後、午後は父親であるザーウスラ
ウト・ライサントが仕事をサボらないよう監視をし、その片手間に
溜まりきった書類に目を通し、必要とあらばサインをし、若しくは
若干変更を加えてあるべき所へ送り返し、そうして日が暮れたら仕
事を引き上げ、夕食を取ってパーシー達とカードゲームに興じ、い
い時間になったら睡眠を取ると言うほぼ毎日変わらぬタイムスケジ
ュールを乱されたので、とても機嫌が悪かった。
 そもそもの原因は、親友であるパーシーにある。
アンコナが『今日はお天気がいいから、一緒にお散歩でも行きませ
んかぁ?』と悠長に、かつ無責任に言われたら、『昼休みにでも行
け』と返答するのが当たり前だろうに。
ヤツには騎士としての常識がこれっぽっちも備わっていないな。
全く、イージス騎士団の訓練メニューはどうなっているのだ。
これは我がライサント王国の平和を守る為、我がブリューナグ騎士
団がイージス騎士団に介入せざるを得んな。よし、アンコナを捕捉
したらイージス騎士団の訓練メニューを熟考するか。
等とぶつぶつ呟きながら、ファンスはクェニカ谷を飛び回っていた。
いつものような、胸当てと軽鎧を着用せず、マントと布の服とソー
ドランスを装備して。
そして、右手には大きなバスケットを抱えて。


 アンコナ・ラツェンダの機嫌は、最上級に悪かった。
彼は朝起きて朝食を取り、仕事前にファンス団長の為にお花を数輪
摘んで総団長会議室に飾り、ファンス団長と一緒に一通りの訓練メ
ニューをこなして昼食を取り、ブリューナグ騎士団内の指揮を取り
ながらファンス団長の秘書業務をし、そうして日が暮れたら仕事を
引き上げ、夕食を取ってゴートンと新しく出た駄菓子の試食会を開
き、いい時間になったらゴートンと一緒に本を読んでぐっすり眠る
と言うほぼ毎日変わらぬタイムスケジュールを遂行する事が困難に
なったが故に、とても機嫌が悪かった。
 そもそもの原因は、自身が超の付く方向音痴だと言う事にある。
ヘンゼルとグレーテルのように小石を目印に落としていったが、途
中で見つけたチューリップやちょうちょさんに気を取られて落とし
忘れ、気が付いた頃には陸の孤島状態になっていてどうしようも無
かったのだ。
 そんな時は悩まないで、そのままそこで体操座りをしてお迎えを
待てと教えられていたので、アンコナは見知らぬ場所の日陰で、い
い子に体操座りをして待っていた。
いつものように、胸当てと軽鎧を装備し、マントもチュニックもソ
ードランスも装備して。
そして、右手には小さな花束を抱えて。



 全く、何故こんな事になったのだ。
大体からアンコナを一人で散歩に行かせる事が間違っているのだ。
どうしてもクェニカ谷に行かねばならん用事があるのならば、騎士
団長のクセにろくに仕事をしないパーシーか、その副官のゴートン
か、アンコナの副官のルフォン・ドゥ様に同行を頼めばよかっただ
ろうに。
 そもそも何故、アンコナは私に黙って外出したのだろう。
何か私に言えない事情でもあったのか?
もしそうだとしたら、何を隠している?
アンコナを見つけたら、詰問せねばなるまいな・・・。




 もう、何でこんな事になっちゃったんだろ。
ファンス団長に喜んでもらいたくって、こっそりお花を摘みに行こ
うって思ったのがだめだったのかなぁ。
やっぱり、ゴートンかパーシー団長か、ルフォン・ドゥ団長に一緒
に来てくださぁいって頼めばよかったかなぁ。
でも、ゴートンもパーシー団長も、ルフォン・ドゥ団長も忙しそう
だったしなぁ。けど、ファンス団長をお祝いしたいの、ぼくだけじ
ゃなかったから、お手伝いしてくださぁいってお願いすればよかっ
たのかなぁ。
ファンス団長に会ったら、ごめんなさぁい、どうすればよかったん
ですかぁ?って聞いてみようっと・・・。






 ファンスはバスケットを抱えつつ、クェニカ谷の裏側を歩いてい
た。
春の日差しはぽかぽか暖かくて気持ちがよく、デスクワークをして
いる時は常時きっちりと止めている首もとのボタンをはだけ、暖か
く程よい湿度の風を心地よく感じながら歩を進めていた。
 暫く歩いていると、やがて王都ディルアースから湧き出ている水
がこのクェニカ谷に零れ落ちる事によって出来た、クェニカ谷に無
数にある滝でも大きい方に数えられるであろう規模の滝に差し掛か
った。
ファンスはソードランスを取り出し、ここまでの道中で遭遇したモ
ンスターとの戦闘で血に塗れたソードランスを洗い始めた。
普段なら武器オタクのファンスは手入れ用のクロスやら研磨剤やら
を携帯しているのだが、今日は珍しく携帯していなかった。
だからファンスは自慢の武器、ブリューナグをざっと水洗いした後
汚れが無いか翳してみたり、角度を変えてじっと見ていた。
 暫くそうしていたが、不意にファンスは立ち上がり、右手でソー
ドランスの柄を持ったかと思うと右後方に思い切り投げた。
数秒間間があったが、やがて後方から「ぐぁっ?!」と呻き声が聞
こえたかと思うと、数人の男女が崖の上から顔を覗かせた。


「貴様ら、いつまでこそこそと隠れているつもりだ。
 水が飲みたければ、堂々とこちらへ来て仲良く憩おうじゃないか」


 ファンスがそう生真面目に言うと、そのグループのリーダーらし
き女性が口を開いた。


「ふざけろ。
 あたしらは水も欲しいが、お前の持ってる金も欲しくってね。
 身包み置いてとっとと失せな。そうすりゃ命だけは助けてやる」


 ファンスは首を傾げて返答する。


「はて、この格好を見れば軍人だと言う事がご理解頂けると思うのだが。
 ライサント王国の軍人は、余程の幹部でもなければ薄給だぞ。
 ・・・流石に、ザーウスラウト『総団長』の方針は、いくら貴様らとて
 知らぬハズは無かろう?」


 総団長、と言う所に敬意と侮蔑を含めて言い放った。
しかしリーダー格の女性はフンと鼻を鳴らし、ファンスを指差す。


「けど、あんたは『黒き翼の騎士』だ。
 流石にあのブリューナグ騎士団の騎士団長さんで、おまけに黒い翼と来ちゃ
 薄給なワケが無いだろ?」

「残念だが、本当に薄給なのだ。
 仕事以外に人生に楽しみが無くてな。金を持て余すよりは、と思い生活費以外全て
 お父上に譲渡している」

「そのあんたのオヤジに譲渡する分、そっくりそのままあたしらに
 分けてくれたらあたしらが恵まれるんだけどねぇ」

「それは出来ぬ相談だな。
 貴様達の様な数人の恵まれぬ外道を養って更生させてやるよりも、数多の恵ま
 れぬ外道を養って更生させてやった方が、得る物が幾倍にも増えるだろう」


 ファンスは懐から短剣、一度も使った事が無いミセリコルデを鞘
から抜いて構えた。


「で、あるからして。
 貴様ら少数の外道を、多数の外道にジョブチェンジしてやる。
 水を飲みたければ私に従え。
 さらば、与えられんと言う事だ」


 馬鹿にしたように見下して、リーダー格の女は言い放つ。


「あらあら、黒き翼の騎士団長サマはソードランス使いだと聞いて
 いたのに、いつからエルフの耳長野郎のような短剣使いになったんだかねぇ」


 女は周囲に目配せをし、大声で言った。


「あんたたち、このカラスをとっ捕まえちゃいなさい。
 仮にもこの王国の英雄サンなんだから、殺しちまったらタダじゃ
 おかないよ!」


 そう言って腕を振り下ろした女性の指示通り、あたりに数人ほど
居た男がファンスに襲い掛かる。
大口を叩いたものの、元々ファンスはソードランス使いであって短
剣使いではなかったので、相当な苦戦を強いられた。
 この武器がソードランスだったら素早くカタがついていただろう
に、ソードランスを投げてしまったのは誤算だった。
 そう、誤算だったのだ。
彼がソードランスを洗う際に見つけた敵は、ソードランスを投げら
れた敵ただ一人だったのだ。
敵を見つけた所まではいいが、ファンスはてっきり敵は一人だと思
い込んでいたので、ソードランスを投げてしまったのだ。


「・・・っ?!」


 敵の振り下ろした短剣が、脇腹を掠った。
ファンスは痛みに顔を顰めながらも、振り上げた短剣を敵の後背部
に突き刺す。
敵は呻き声を上げた後、どうっと音を立てて地に伏せた。
 傷ついた脇腹を手で押さえ、ファンスはまた敵と対峙する。
敵は目前にあと2人、そして崖の上の女が一人。
ファンスは崖の上の女が槍のようなものをつがえるのを見たが、こ
んな遠距離から間を詰めて攻撃するのは相当に隙があるだろう、彼
女をターゲットとするにはまだ早い。
そう思っていたのだが・・・。
 彼女の持っている奇妙な武器は、そのまま空で弧を描きファンス
を攻撃した。
飛び道具だと思って居なかったファンスはまともに食らい、地に膝
を着いた。
 そもそもの問題。
有翼種族であるハーミットは特性上弓等の飛び道具が使えないが為
に、そしてこのライサント王国は文明の進歩が余りにも遅かったが
為に、国を代表する軍人と言えど弓を知らなかったのだ。


「ぐっ・・・。何だ、これは・・・?」


 左肩に刺さった矢を見て、ファンスは呻く。
大体から武器が慣れぬ短剣だと言うだけでも分が悪いのに、見慣れ
ぬ武器による遠距離攻撃によってファンスは追い詰められていた。
 ファンスが歯を食い縛って痛みに耐えている中、ファンスを囲ん
でいた二人の男は武器を振り上げる。
鎧のおかげで、胴部分は大丈夫だろう。けれど、腕に振り下ろされ
たら・・・。
ファンスは焦燥感と痛みに苛まれながら、無理矢理左腕の盾を兼ね
た小手を掲げる。が・・・。


「かの者の刃は闇を突き抜け」


 突然崖の上から聞こえてきた声に反応して、ファンスを取り囲ん
でいた男は振り返り、崖の上の女は何かを見つけたのか、左方向に
弓を構える。


「我が敵、その血溜まりの中に沈めん・・・ヒャコイ!」


 詠唱が終わった氷魔法は、そのまま術者の手のひらに氷塊を作り
出して即座に術者の手元から離れた。
術者の手元から離れた氷解は空を切り、被術者の胸を貫く。
被術者は呻き声を挙げて、どうっと地面に倒れた。
そして、二度と起き上がる事は無かった。
 ファンス含め、その場に居た者は残らず不審がり、周囲をキョロ
キョロと見回した。
すると崖の上からひょっこり顔を出したのは、茶髪の少年だった。


「ファンスだんちょうをいじめてる人がいたから、わるいひとかなぁって思って
 ころしちゃったけど、やっぱりわるい人がいっぱいいたんですね。
 ちょっと待っててくださぁい、ぜんいんころしますねー」


 そう言って茶髪の少年、アンコナはゆっくりとソードランスを構
え、詠唱体勢に入る。
リーダーを殺された事できょどってしまった二人の男の内、一人は
完全に狼狽し、もう一人はファンスの喉に短剣を突きつけた。


「お、おい、お前の上司がどうなってもいいのか?!」


 そう震える声で脅すが、賊の手は新たな敵の出現により震えてい
た。


「こいつを傷つけられたくなければ、詠唱をやめてそこにじっとし
ていろ。いいか、少しでも詠唱したらこいつを殺すからなっ!」


 アンコナは困りきった顔でファンスを見る。


「ごめんなさぁい、ぼく、なんにもするなっていわれちゃいましたぁ」


 ファンスはフン、と鼻を鳴らして言い返す。


「そうだな。
 何もするなと言われて大人しくするなんて、アンコナは偉いな」


 余裕ぶった態度を取る人質を賊はきっと睨むが、ファンスは同じ
調子で続ける。


「アンコナ、私からも命令する。
 そこにじっとしていろ」


 ファンスは少し俯いて二言三言呟いた後、痛みに顔を顰めつつ肩
に刺さった矢を抜いて、面を挙げた。


「アンコナが何も詠唱しなければいいんだな。そうかそうか。
 では、私が代わりに詠唱して貴様らを生け捕ってやろうか」


 そう言ってファンスは後ろに飛び退き、黒い翼を広げて羽ばたいた。
その羽ばたいた勢いをそのままに、賊二人に切りつける。
切り付けられた賊は呻き声を上げて倒れた後、地に伏せた。
 矢を抜いたばかりの左肩は既に傷が塞がり、敗れた布地から見え
る肌は傷一つ無かった。


「私は魔法は苦手でな。
 あまり、使いたくはなかったのだが・・・」


 ファンスは今しがた攻撃した賊に短剣を突きつけた。


「黒い翼は飾りではない。
 もし貴様らが歯向かうのなら、このまま塵にさせていただくが?」

「ご、ごめんなさい、もうしませんっ!」


 地に伏せた賊は、足を血だらけにして涙と鼻水でぐじゃぐじゃの
顔で答えた。
ファンスはふうっとため息を漏らし、短剣を腰の鞘に戻す。


「アンコナ、私のソードランスをとってくれ」

「はぁい、わかりましたぁ」


 にぱっと笑って最初に倒した賊の元へ行ったアンコナは、賊の死
体を足蹴にしてファンスのソードランスを引っこ抜き、小さな翼で
ぱたぱたと羽ばたいてファンスの元へ行った後、アンコナはファン
スにソードランスをどうぞってした。


「もってきましたぁ」

「うむ、いい子だ」


 ファンスはアンコナの頭を数度撫でた後、やはり険しい顔を崩さ
ずに言う。


「しかし、迷子になったらその場でじっとしてろと言っただろう。
 何故離れた?」


 アンコナは狼狽して言う。


「え、だ、だって、おなかすいてて、おいしそうなにおいだなぁっ
て思ったら
 バスケットがあって、だれのかわからないものをたべちゃだめっ
ておもって、
 だれのかなぁって思ってさがしてたら、ファンス団長がわるいひ
とにいじめ
 られてたから・・・。ひっぐ、えっぐ・・・ごめんなさぁい・・・」


 最後だけ嗚咽交じりで答えた後、アンコナは俯いて涙を拭った。


「構わん、今回は私も助かったからな。
 だから、今回は正しい出会い方をシミュレートして無かった事にしよう。
 それでいいか?」


 ファンスがアンコナにそう優しく語り掛けると、アンコナは数度
首を上下に振って答えた。
 ファンスは賊をロープで固定した後、血まみれのソードランスを
手に泉へ向かった。
アンコナもまた、ファンスを見習って崖の上へぱたぱたと飛んでい
くのであった・・・。




- Take1 -


 ファンスはソードランスを取り出し、ここまでの道中で遭遇した
モンスターとの戦闘で血に塗れたソードランスを洗い始めた。
普段なら武器オタクのファンスは手入れ用のクロスやら研磨剤やら
を携帯しているのだが、今日は珍しく携帯していなかった。
だからファンスは自慢の武器、ブリューナグをざっと水洗いした後
汚れが無いか翳してみたり、角度を変えてじっと見ていた。
 暫くそうしていたが、不意にファンスは立ち上がり、ソードラン
スを持ったまま後ろの崖を振り返った。


「出て来い。
 貴様、何者だ?」


 ファンスがそう呼びかけると、崖の上からアンコナが顔を覗かせ
る。


「こんにちはぁ。
 ぼく、アンコナ・ラツェンダです。
 わるいハーミットじゃないですよー、いいハーミットですよー」


 アンコナはにぱっと笑って答えた。


「そうか、いいハーミットか。
 ならばこちらへ来て、水を一緒に飲まないか?」


 ファンスが崖の上に手を差し伸べるとアンコナは両手を上げて喜
んだ。


「わぁい、おいしそうなおみずだなぁ。
 一緒にのみましょっ」


 そう言ってアンコナはぱたぱたと崖の上から降り、ファンスの隣
に跪いて手で水をすくって飲み始める。
暫く黙ってみていたファンスだったが、不意に短剣をアンコナの首
元に当てた。


「失格だ。
 警戒心も猜疑心も無さ過ぎる。
 少しは人を疑うと言う事を覚えろ」


 ファンスが短剣を突きつけているにも関わらず、アンコナはにぱ
っと笑う。


「やだなぁ、ファンスだんちょ。
 ぼく、ちゃーんとおべんきょうしてますよぅ」


 そう言ってアンコナはファンスの足元を指差し、ファンスはそれ
につられて足元を見る。
そこには、黒くて粘着性のある液体が広がっていた。


「動けなきゃ殺し様がないですよね。
 トリモチでうごけないようにしてから、拷問がてらじわじわとい
じめたほうが
 いいってちゃぁんとおべんきょうしましたよぅ」


 相も変わらずにぱっと笑って、アンコナは答える。
いくら動けどトリモチを外せないのでだんだんと冷や汗を流し始め
たファンスに向かって、アンコナは更に続ける。


「じゃあ、これから拷問の実習のおべんきょう、はじめまぁす。
 ちょっといたいけど、がまんしてくださぁい」


 俯いて呪文を詠唱し始めたアンコナに本能的危機感を感じたファ
ンスは、トリモチに囚われたままのブーツを脱ぎ捨ててアンコナを
殴って詠唱をやめさせた。
 詠唱を止めた際に誤発動した魔法により、トリモチどころかブー
ツまで跡形も無く焼け落ちてしまった所を見れば・・・。仮令ファ
ンスだったとしても、ただでは済むまい。
ファンスは犠牲となったブーツに黙祷を捧げると共に、犯人である
アンコナにたっぷりお説教をしてテイク2へと行くことになった・・・。




- Take2 -


 ファンスはソードランスを取り出し、ここまでの道中で遭遇した
モンスターとの戦闘で血に塗れたソードランスを洗い始めた。
普段なら武器オタクのファンスは手入れ用のクロスやら研磨剤やら
を携帯しているのだが、今日は珍しく携帯していなかった。
だからファンスは自慢の武器、ブリューナグをざっと水洗いした後
汚れが無いか翳してみたり、角度を変えてじっと見ていた。
 暫くそうしていたが、不意にファンスは立ち上がり、ソードラン
スを持ったまま後ろの崖を振り返った。


「やぁ、いい天気だな」


 崖からひょっこり顔を覗かせたアンコナが答える。


「うんうん、いい天気ですねー。
 こんなにおてんきがいいと、ぼく、ねむくなっちゃいます」


 ふぁ、と一つ欠伸をし、アンコナは崖の上で伏せた。


「そうだな、私も眠いな。
 ・・・が、それ以上に腹が減った。
 おべんとうを食べてから、昼寝をするか」


 アンコナは顔を輝かせて答える。


「え、ファンスだんちょ、おべんとうもってきたんですかぁ?
 ぼくもおなかすいたなぁ、たべたいなあ。
 一緒にたべましょうよぅ」


 おっべんっとおー、おっべんっとおー♪と口ずさみながら、アン
コナは上機嫌に答えた。そんなアンコナを見て、ファンスも微笑み
ながら答える。


「ああ、いいとも。
 こっちに来い、一緒に食おう」


 そう言ってビニルシートを広げ始めたファンスに向かってぱたぱ
たと飛び寄ったアンコナは、鼻歌交じりにお弁当を広げる作業を手
伝った。

 暫くして、ビニルシートの上におにぎりやらたこさんウィンナー
やらうさぎさんのリンゴやらを広げ終わったアンコナとファンスは、


「いっただっきまぁす♪」


 と声高らかに宣言した後、ファンスお手製のお弁当にぱくついた。


「合格点だ。
 自然物、例えば泉やわけび等を勧められたらまず疑え。
 製造物、例えばおべんとうやクッキー等を勧められたら、まず食え。
 それが、我がブリューナグ騎士団の鉄則だ」


 冗談としか思えないような鉄則を言い出したファンス騎士団長に
対し、当然の如く突っ込むハズもなくアンコナも同意する。


 おにぎりやサンドウィッチの山を平らげ、食後のアップルティー
も飲み終わった所でファンスはアンコナを見遣って言った。


「で、だ。
 何故、私に黙って外出をした?」

「え、えっと、そのぉ・・・」


 アンコナは腕を組んでうーん、うーんと一頻り考えた後、手をぽ
んと打ってファンスを見た。


「ファンスだんちょ、ちょっと待っててくださぁい」


 そう言うや否や踝を返し、日陰に置いていた花束を取って戻って
きた。


「・・・花束がどうした?」


 訝しみつつ返答したファンスに、アンコナはにぱっと笑って続け
る。


「おたんじょうびおめでとうございまぁす、ファンスだんちょ!」


 花束をどうぞってしながら、アンコナはそう言った。
ファンスは一瞬面食らった顔をしたが、暫くして、


「・・・あぁ、そう言えば今日は私の誕生日だったな。
 ありがとう、アンコナ」


 と言って、花束を受け取ったのだった。





 ファンスはアンコナと暫く談笑した後、日が暮れかけた頃に賊を
引っ張って王都ディルアースへと戻ったら、サボりにサボッて機嫌
が良かったザーウスラウト総団長に小一時間説教をして誕生日をパ
ーシーと愉快な仲間達に祝われたのは言うまでも無い。





≫「FANS HITORITABI - アンコナといっしょ - 」の全文を読む
2008.11.28(00:10)|ショートストーリーコメント(0)TOP↑
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理由は、お外に出ると一日中頭痛と吐き気が止まらないから。
生き残りたい。

【スペック】
生年月日:平成元年4月28日
年齢:今年で22才
性別:フツーの兄ちゃん
その他:条件、眼鏡等。但しAT車に限る。
身長:ちみっこい
体重:一ヶ月で10kg痩せた
性格:
自称、ただのにーちゃん
他称、悪人、変態、など様々である。

【好きなもの】
おっさんキャラ。特にFF7のシドとうたわれのクロウとFFTのダイスダークは別格。ゼノギアスのジェサイアとシタン先生も好き。
ガタイのいい男キャラ
パラディン/クルセイダー
ROの女プリースト系のスリット
及び、女教授のふんどし。
アルベール・カミュ作品全般
シャルルマーニュ伝説
エッダ、カレワラ、ケルト神話。
ゼノギアスとFF全般
ベルセルクとクレイモア
3と9と11と10-2,12はやった事が無い。
FFTのダイスダークはおれの兄。シドルファスは俺のパパン。
アルルゥとアグリアスたんとゼノギアスのマリアたんとマルーたんと雛苺はおれの嫁。
誰が何と言おうと、死んでもアルルゥと雛苺だけは誰にも渡さん。
チェスも好き。紅茶も愛してる。
アールグレイとダージリンとセイロンウバとアップルティーとカモミールティーは最高だ。

【嫌いなもの】
和風スイーツ(笑)ほぼ全て。きなことかもう大嫌い。
とろけるチーズ嫌い。でもピザのチーズはセーフ。
チーズハンバーグとかチーズバーガーとかはアウト。
後、SFモノの作品もあまり好きじゃない。
和風ファンタジーもあまり好きではないかな。
後、女性の立場を上げよう!って団体も嫌い。もう十分じゃねーか。

正直どちらかと言えば和食派。
肉より魚派。
揚げ物より煮物派。
東京で行ってみたい所は浅草。
旅行に行きたい所は京都。テラへ。
半年以内に叶う夢は甲斐性のある男になる事。
これから先の夢は子供を持つ事。
野望は生涯焼きそばとスパゲッティーとさばみそへの愛を貫く事。しいたけも大好きだよ。愛してるよしいたけ。

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