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るべれてん 【 saylus : [根性] 】

[ジョブ]
サラリーマン
フリーライター
見習いカトリック信徒
エクソシスト

[レベル]
21

[称号]
割愛

[HP]
2051 / 5634

[MP]
315 / 645

 

 

 

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- 3 -


「まいど、お届けモノでーっす」

 扉の前で、ルーニアは声を張り上げる。一瞬後に、「はーい」と言う、間延びした声が扉の
中から聞こえてくる。

「ん?しゅめちょ、こんな時間にどしたんすか?」

 扉の隙間から、エルフェスが閉じ込められていた時に彼を釈放した看守であり、近衛副騎
士長であるドライツェが顔を覗かせる。

「あんたの上司があたしの部屋でのびちゃったから、あたしの貞操を守る為に引き取ってよ」

 そう言ってエルフェスの首根っこを掴み、ドライツェに差し出す。

「おりょ、きしちょ、何で寝てんすか?」
「あたし直々のありがたぁ~い正義の鉄槌により、悪魔が去ったから昏睡状態なんだよ。
全く、こいつの心は悪魔が巣食いやすくって本当に困ってるんだから」
「一度、教会でお払いせにゃなりませんな。運搬お疲れ様です、ルーニア主馬長」

 ドライツェは両腕で気絶した騎士長を重そうに抱え、部屋へと撤退する。

「きっちりお払いしといてね。あたしが迷惑すんだからさ」
「はいはーい、免罪のお札でも買わせまーす」
「それ、逆にあたしが困ると思うんだけど?」
「ははは、一応これでもウチの騎士長なんですから、もっとお手柔らかにして下さいよう」

 覚えてたらねー、と言う言葉を背に、ルーニアは踵を返して、すっかり夜の帳に包まれた、
城下町クェードの風景と融合する。手加減を知らない主馬長だな、と思いながら、ドライツェ
はエルフェスのベッドに気絶した主を休ませる為に、よいしょ、こらしょと引き摺っていった。



 ぴぴぴっ、ちちちちっ、ほうほくっくくー、と、小鳥や鳩の囀る声が窓の外から漏れて来る。
おてんとさまは昇ってまだ間も無いらしく、王都クェードの東に広がる、ローミルライド峠の
頂にちょこんと座っている。
 エルフェスは目を擦って、呻吟交じりに思う。

 ―― ああ、いい朝だな。
 ―― 朝メシにパン食って、顔洗って。
 ―― 風呂入って、鎧を磨いて、それから…………。

「思い出した。ペパン国王さんと交渉しに、ちょっくらデルリフェルツまでお散歩しねえと!」

 エルフェスは勢い良く言い切って、ガバッと起き上がった。その際、薄くて軽い羽毛布団
がはらりと床に落ちるが、気にせずにスパイク付きのブーツを履き始める。

「おはようございます、エルフェス騎士長。そんなに急かずとも、風呂も朝メシもちゃんと用
意してますよ」

 ドライツェはこんがりと焼いたトーストに薄くサワークリームを塗りながら、口に放り込む直
前でエルフェスに声をかけた。

「あ、ああ。サンキュ、ドライツェ。……今何時だ?鎧は?」

 つま先でトントン、と床を鳴らしながら、頭の中で簡潔に欲しい情報を纏めて問うた上司
に、ドライツェはトーストを頬張りながら答える。

「今は八時半です。鎧は磨いておきました、荷物も纏めておきました。後は騎士長の準備さ
え完了すれば、いつでもデルリフェルツに向かえると思いますよ」
「あれ、何でオレの任務知ってンだ?」

 エルフェスは頭を掻きながら、半ば寝ぼけながら問う。

「リット国王陛下から命令書が回って来たんです。適当に近衛騎士団員の半数を連れて、
東の国境沿いの町ヨルファニに行けって。言いだしっぺの騎士長が行けばいいじゃないで
すかって反論したら、騎士長は単騎ペパン王国に奇声を上げながら突貫するって聞いたも
ので。騎士長の気が短兵急にトチ狂ったのかと思いましたけど、いつもの事なので別段驚
きませんよ」

 優雅に朝の紅茶を飲みながら、この副騎士長は答える。ブーツを履き終えたエルフェス
は、先程の話を聞いているのかいないのか、丸テーブルに二脚ある内の空いている一脚
に座り、こんがりと焼かれた、程よい小麦色のトーストにサワークリームを好き放題に塗っ
たくっていく。

「きしちょ、まず歯を磨きませんと。顔を洗ってちゃんと髪の毛梳かしてからじゃないと、おか
ずのコンビーフさんに失礼ですよ」
「うるせ、オレの勝手だ。まず腹ごなししてから行動すンのが、オレのポリシーなンだよ」
「お年を召されているのですから、無理に横文字を使わなくても」
「てめぇまでオレをおっさん扱いする気かよ?!」

 この世話好きなルームメイトである副騎士長を口だけで一喝して、サワークリームが程よ
く蕩けたトーストを口に放り込む。途端、エルフェスの口腔内にライムの酸味が広がる。癪
に障る事を言われても食欲に従順なのが、この騎士長なのである。

「そんなんどうでもいいので、とっとと準備してデルリフェルツに行って下さい。騎士長が仕
事に就かないと、俺もおちおち仕事も出来ませんよ、全く。まるで、夫に子供の幼稚園送迎
を任せた奥さんのような気分です」

 ドライツェはそう愚痴を言って、「ごちそうさま」と呟きながら流し台に皿を持って行く。尤
も、近衛騎士団長と副騎士団長の寮とは言いつつも、六畳三間の質素かつ狭苦しい部屋
だったので、流し台と言うにはあまりにも簡素な物だったのだが。これも偏に“王宮関係者
は国民のシモベである”と言う精神から来ているが故に、生活するのに必要最低限の物品
しか無い部屋しか与えられないからなのだが。エルフェス自身、この様な狭苦しい二人一
部屋の寮なんかとっとと引き払って別の部屋でも借りたいと思ってはいたが、必要以上の
贅沢と見なされるが故に法律で禁じられているのである。

「そう口酸っぱくして言わねえでもわーってるって。メシが済んで風呂入ったら、とっととペパ
ン国王さんの豪勢なお家に遊びに行って、こわーいこわーいペパンの国王さんとやらと一
緒にちょうちょさんでも追っかけて、めいっぱいフレンドリーになって帰ってきてやるぜ」

 そう無茶苦茶な事を宣言して、ヨーグルトサラダを紅茶で胃にゆっくりと流し込んでいく近
衛騎士長。

「ぬかみそ臭え揶揄する前に、とっとと行った方がいいと思うぜ。今日いちンちを、近衛騎
士団の野郎どもの選別に費やす気だったらオレも文句は言わねえけどな」
「あ、そ、そうですねっ。早く行かないと、難民は待ってくれませんからねっ!」

 ドライツェは律儀にも自分の食べた後の食器具を水洗いした後、布巾で丁寧に拭き、乾
燥棚に置いてから手早くサーベルを腰の剣帯に固定する。

「んじゃ、いってきます。道中お気をつけて、エルフェス騎士長」
「そう心配しねえでも、ちゃーんとペパン王国名物の土産でも持って帰ってやるから。安心
しろ」

 面倒そうにエルフェスはドライツェを振り返り、口をもぐもぐさせながらパンくずを頬に付
けて、右手をひらひらと振る。

「ペパン王国の名産品のリストを頂きたいものですね」

 そうジョークを返して、ドライツェは扉を閉める。エルフェスはと言うと、サワークリームの
たっぷりと塗られたトーストを口に運ぶ作業で忙しいらしく、ドライツェが出て行ったと認める
や否や、また新たなトーストにサワークリームを塗ったくり始めた。



 朝食を食べ終わった。きちんとごちそうさま、と言った。顔を洗った。お風呂に入った。髪
の毛をきちんと乾かして、身だしなみを整えた。
 準備万端、元気一杯のエルフェスは、このリット王国に燦々と降り注ぐ、南中するその時
までよいしょ、こらしょと頑張って昇り続ける太陽の光をめいっぱい浴びながら、王都クェー
ドから三年前にペパン王国最強と謳われるパラディン十二騎士団によって滅ぼされた、エ
ルフェスの故郷である廃村デルリフェルツへと自転車を漕いで向かっていた。王都クェード
からデルリフェルツへは、徒歩で約二時間。自転車だと、平地なので約一時間半と言った
所だろうか。

「腰にレイピア差してると、チャリが漕ぎ辛いよな」

 エルフェスは舗装されていない砂利道で、一生懸命自転車を漕いでいる。

「じゃあ歩く?」
「めんど臭え。大体から何で馬が使えねえんだよ……」

 エルフェスはそうごちて、自転車を漕ぎながらがっくりと肩を落す。

「全員に あると思うな 馬と武器、って言うじゃない。馬を飼えない人の為の自転車よ。そ
れに……」

 言わねえよ、と心の中で抗議をするエルフェスの妖精、エルニャは目を細める。

「誰でしたっけ?主馬長さまにお怪我をさせたのは?」
「あー、すいませんでしたー。オレが悪うござんしたー。反省しながら燃費がすっげーエコ
ノミックで環境に優しいチャリンコを一生懸命漕ぎますよーだ」

 観念して、おざなりに謝罪の言葉を述べるエルフェス。そんなエルフェスの顔で、エルニャ
は勝ち誇った笑みを浮かべる。

「わかればいいのよ、わかれば。さー、目指せペパン王国の王都、キャンソンにあるシャ
ルル陛下のお城っ!」
「よーく覚えてンなあ、ったく。オレなんざ、ジョワユースだか醤油ゆずだかでもう記憶があやふやだってのに」
「ペパン王国、王都キャンソン、国王陛下はシャルル・エニュマール国王陛下よ!もう、わた
したち、シャルル陛下の家臣でしょ?主君の名前覚えてなくて、どーするのよ?」
「わかった、解ったよ、ったく。シャララ、エヌ丸、つまり何だか訳のわかんねえわんこみた
いな名前だって理解したぜ」
「もうちょっとマシな覚え方しなさいよっ!このおっさん!」
「んだと?!てめ、どう覚えようが自由だろが!ここは自由を讃えるリット王国なんだぜ?!」
「いくら分布地がリット王国でも、わたしたちはシャルル陛下の所有物よ?!シャルル陛下
に従いなさい。シャルル陛下に隷属しなさい。シャルル陛下を崇拝しなさい!」
「やなこった、オレはまだシャルル陛下の手下じゃねえ!まだこの王国をパーティー会場に
出来てねえから、インターン中の手下じゃねえか!」
「インターン中でも手下は手下よ!全く、本当に不遜な騎士様ね!」
「悪かったな、これがオレの芸風なンだよ!」
「そんな芸風は役場に申請して駆除よ、駆除!ヘタなピン芸人はシニカルな笑いを誘うだけ
だわ!」
「うるせえ、オレの自由だろが!ピン芸人に対して地べたに両手ついて謝罪しやがれ!」

 同じ口で喧嘩をしながら、二十四歳独身近衛騎士長と十八歳花も恥らう青春街道まっしぐ
らの乙女妖精は、廃村デルリフェルツの最西端にあるリット王国軍のペパン砦へと自転車
ごと消えていった。
 三年前にペパン王国のパラディン十二騎士団によって滅ぼされたと言われている、廃村
デルリフェルツ。ニワナズナが思い思いの所に生え、春風に押されるままに揺らいでいる。
ヒバリの雛はよちよちと歩き、親の帰りを待ち焦がれて空を見上げている。崩れた家の壁
の下には、ありんこが厳冬を越えた幸福を胸にせっせと働いている。
 西のペパン王国からキナ臭さを醸し出され、北の公国より狙われ、更に追い討ちをかける
ように東の帝国から迷惑なおみやげを今まさに受け取らんとしている、自由を讃えるリット
王国。徐々にキナ臭くはなりつつも、少なくとも王都クェードと廃村デルリフェルツでは、自
由の王国らしく強かに平和を讃えていた。
 デルリフェルツのリット王国軍砦に自転車ごと入ったエルフェスは、休む間も無く徒歩で
目的地であるペパン王国軍の砦へと向かった。必死でリット王国の近衛騎士長を引き留
める声を、どこ吹く風と聞き流しながら。



これでChapter.1は終わりだと思います。っつーか終わりです。


反省点
ルーニアの描写がイマイチ。
エルニャの性格が描けなかったと思う。
っつーかボキャブラリーが貧相だなおい。



次はPastタイユフェール編です。
過去です。過去ったら過去です。
なんとなくめんどくさいけど。


   
2007.12.12(17:23)|新生ふぁいてぃんぐ!コメント(0)TOP↑
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男ホル注射さぼってます。
理由は、お外に出ると一日中頭痛と吐き気が止まらないから。
生き残りたい。

【スペック】
生年月日:平成元年4月28日
年齢:今年で22才
性別:フツーの兄ちゃん
その他:条件、眼鏡等。但しAT車に限る。
身長:ちみっこい
体重:一ヶ月で10kg痩せた
性格:
自称、ただのにーちゃん
他称、悪人、変態、など様々である。

【好きなもの】
おっさんキャラ。特にFF7のシドとうたわれのクロウとFFTのダイスダークは別格。ゼノギアスのジェサイアとシタン先生も好き。
ガタイのいい男キャラ
パラディン/クルセイダー
ROの女プリースト系のスリット
及び、女教授のふんどし。
アルベール・カミュ作品全般
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エッダ、カレワラ、ケルト神話。
ゼノギアスとFF全般
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3と9と11と10-2,12はやった事が無い。
FFTのダイスダークはおれの兄。シドルファスは俺のパパン。
アルルゥとアグリアスたんとゼノギアスのマリアたんとマルーたんと雛苺はおれの嫁。
誰が何と言おうと、死んでもアルルゥと雛苺だけは誰にも渡さん。
チェスも好き。紅茶も愛してる。
アールグレイとダージリンとセイロンウバとアップルティーとカモミールティーは最高だ。

【嫌いなもの】
和風スイーツ(笑)ほぼ全て。きなことかもう大嫌い。
とろけるチーズ嫌い。でもピザのチーズはセーフ。
チーズハンバーグとかチーズバーガーとかはアウト。
後、SFモノの作品もあまり好きじゃない。
和風ファンタジーもあまり好きではないかな。
後、女性の立場を上げよう!って団体も嫌い。もう十分じゃねーか。

正直どちらかと言えば和食派。
肉より魚派。
揚げ物より煮物派。
東京で行ってみたい所は浅草。
旅行に行きたい所は京都。テラへ。
半年以内に叶う夢は甲斐性のある男になる事。
これから先の夢は子供を持つ事。
野望は生涯焼きそばとスパゲッティーとさばみそへの愛を貫く事。しいたけも大好きだよ。愛してるよしいたけ。

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