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るべれてん 【 saylus : [根性] 】

[ジョブ]
サラリーマン
フリーライター
見習いカトリック信徒
エクソシスト

[レベル]
21

[称号]
割愛

[HP]
2051 / 5634

[MP]
315 / 645

 

 

 

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- 2 -

 かつて、この世界には三匹の悪魔が居た。
 一匹はベルゼブルと言う、口から焔を吐き、翼を有し空を駆け巡り、その速さは一夜にし
てこの世界を一周すると言われる黒き竜だった。
 一匹はイスカリオテと言う、姿は無く、人の心に足音無く忍び寄り、その心に邪智や邪心
を植え付け破滅へと向かわせる、陽炎の様に姿無き亡霊だった。
 そして、一匹はサバクタニと言う、無尽蔵の知識を持ち、精霊を宿し一つの肉体に魂を二
つ所有する人間、いわゆるラッカイに対し非科学的な力を与え、自身は直接手を下さない
が破壊の為の力を一握りの人間に与え続ける、片目を失った老人だった。
 三匹の悪魔は世界中を荒らし回り、戦争を起こし、人を互いに争わせた。精霊は狂い、手
当たり次第の人間に憑依し、憑依された人間はその力に溺れ、自滅していった。
 神はそんな気狂いじみた世界を嘆き、十三人の使いを天の国アルカディアよりこの世界
に派遣した。
 十三人の天使はこの世界の人々に神の教えを説き、三匹の悪魔を封印し、そのまま歴
史に埋もれるかのように消えていった。
 その天使は栗色の翼を持ち、幼子の姿をし、常に聖なる物を携えていたと言う。
 その聖なる物は天使によって剣だったり聖杯だったりと形は様々だが、悪しきものをその
聖なる物に封じ込む事が出来る力があったと言われている。尤も、今では確かめようにも
十三人の天使達は既に天の国アルカディアへと帰っていると言われているので、確かめ
る術は無いが。
 そんな神話の物語をかいつまんで謳う聖歌をおざなりに聞きながら、エルフェスは教会
の長椅子にふんぞり返って中央に畏敬なる静寂を携えて飾られているエント神の像を眺
めていた。
 エント神はウサギの様な長い耳を持った、男か女かわからない姿をしているとされて
いる。右手に聖杯を、左手に横笛を持ち、腰には力の象徴である一振りの片手剣を携え、
傍らには悪しき者から世界を守る象徴と言われている、大きな大きな楯を足に立て掛けて
いる。

 エルニャがパンケーキに混入されていたラム酒に酔って倒れてから、四ヵ月後。
 ペパン王国側は相も変わらずリット王国の使者を追い返し続け、グラスティ・タイユフェー
ル率いるリット王国兵団とエルフェス・タイユフェール率いる近衛騎士団で疲労の色が
濃くなりつつある中、季節は春から夏へと移り変わっていた。
 すっかりエルニャと親しくなって、ただただ聖歌を聞き流しながらエント神の像を眺めて
いたエルフェスは、鎧を脱ぎ、薄手のチュニックの胸をはだけて少しでも涼を取ろうとうち
わを扇いでいた所で、唐突に隣から声をかけられる。

「貴方もお祈りですか?」
「ああ、体裁はお祈りだな」

 面倒臭そうにそう答えたエルフェスは、隣人が座るスペースを確保する為にきちんと
座りなおす。

「美しいですね、エント神様の像」

 中性的な顔をしたエント神の像を眺めながら、隣人はエルフェスの隣に腰を下ろす。

「ああ、見てくれは美しいな」

 内面は醜悪以外の何者でもねえけどな、と言う言葉を飲み込んで。

「よくここに来るのですか?」
「ああ、毎朝来てる」
「敬虔なエント教徒さんなのですね」
「んにゃ、そうでもない」
「では何故、毎日祈りを捧げるのですか?」

 エルフェスは面倒そうに深緑の鎧の胸に描かれた剣の紋章を指差した後、腰の剣帯に
引っ掛けている、近衛騎士長の身分に相応しく華美な装飾の施されたクレイモアを指し示す。

「なるほど、身分の高い騎士様なのですね。戦争で人を殺したから、その懺悔をする為に
ここへ」
「いや、それも違うんだよな。オレは一度も戦争に行ってねえし、人を一人も殺しちゃいない」

 心底面倒そうに言うエルフェスに対し、隣人は尚も問いかける。

「それならば何故、毎日祈りを捧げるのですか?」
「腐っても騎士だからな。いつか人を殺した時の為に、神さんに赦して貰えるようお祈りし
てるだけだ。体裁はな。……オレだって地獄とやらに行きたくはねえが、職業軍人やって
る以上は気休めにしかなんねえだろうな」

 聖歌隊を眺めながらむすっとして答える騎士に対し、隣人は兜を脱ぎながら答える。

「あたしは、生きる為に人を何人も殺しました。生きる為に、妹やお兄ちゃんや……親も、
見殺しにしました」

 相変わらずむすっとした表情でまっすぐ前を見つめる騎士に対し、隣人は尚も続ける。

「だから、あたしは祈りに来ました。精霊になった家族が、少しでも幸せでいられるように。
そして、結果的に見殺しにしたわたしを、赦してもらえるように」

 隣人はそう言って、やんわりと微笑む。

「都合のいい考え方だよな。神さんなんて居るかどうかもわかんねえヤツに一生懸命頼
み込んで、いつかは赦してもらえるなんて」

 エルフェスがそう言った途端、聖歌隊の歌が静かに終わる。数えるほどしか居ない聖歌
隊のメンバーの中からエルニャを見つけ出して、エルフェスはしかめっ面のまま軽く手を振る。

「理想だけじゃ、現実は動かねえんだぜ。赦してもらいたきゃ、祈るだけじゃなくてそれ相
応の行動をしろ」
「そんな事を言ったら、貴方の祈りも無意味な行動になりませんか?」

 そう反論した隣人は、表情一つ変えない隣人を見遣る。

「オレは、赦される為に祈ってるんじゃねえからな。祈る為に祈ってんだ」

 意味不明な事を口走りながら、エルフェスは足を組む。

「理想通りの現実にしたけりゃ、努力しろ。もし神さんとやらが居るンなら、それ相応の報い
はあるだろ」
 そう言ってエルフェスは、エルニャ以外に関心を示す物が無くなったのか、走り寄って来る
エルニャを見つめて黙り込んでしまった。
 エント神像の隣にあった合掌代からぴょん、と飛び降りたエルニャは、エルフェスの元へ
駆け寄った。対するエルフェスは右手を上げて軽く会釈をする。

「今日は三十点、ってトコだな」
「今日も昨日もおとついも三十点だったじゃない」
「言い換えようか。三十に小数点付けて五十四だ」
「それ、喜んでいいのか怒るべきなのかわかんないじゃないの」
「自分の胸に手ぇ当てて聞いてみろって。自己評価が全てなんだぜ?」
「自己評価が全てなんだったら、エルフェスに聞いてもらった意味無いじゃない」
「世の中説明出来る事ばっかじゃねえんだぜ?」
「少なくともこれくらいは説明しなさいよっ!責任感の無い男はみっともないわよ!」

 頬をぷくっと膨らませたエルニャに対し、エルフェスは苦笑しながらエルニャの頭を軽く
撫でる。

「あら、貴方は……?」

 エルフェスの隣人に気付いたエルニャは、少し首を傾げる。

「わたしは、ただ通りすがっただけの旅人です」

 微笑をして、兜を脱いだばかりで髪の毛がぼさぼさなおさげの隣人は答える。

「探しているものを見つける為に、旅をしているんです」
「探しもの?何を探しているんですか?」

 エルニャはこの自称旅人と言う少女に問うた。

「何かはまだはっきりしていません。けれど、いつか見つける為に旅をしているんです」

 自称旅人の少女はやんわりと微笑んで、エルニャを見る。

「そ、それは果てしない旅ですね。いつか何か見つかるといいですね」

 エルニャはこのぼさぼさ髪の毛の旅人の事を、心の中で変人と定義付けて話をいいか
げんに切り上げる。

「そうだ、もし宜しければ、フルフトリドの丘の場所を教えて頂けませんか?」

 今までむっつりとしていたエルフェスが、ふいにきょとんとした顔を旅人に向ける。

「そんなん聞いてどうすンだ?あの丘にゃ、ぼろっちい神殿っぽいのしかねえのに」
「エント神話に語られている三匹の悪魔の内の一匹、黒き竜の姿をしていたと言われて
いるベルゼブルが封じられていると言われているフルフトリドの丘って、どんな所なのか
なと思いまして」

 微笑のまま、鉢巻をした旅人は答える。対するエルフェスは怪訝な顔をして、この旅
人を一瞥する。

「大したモンはねえぞ。奥にはやたらとでかいチェスの駒が一個、崇められてるだけだぜ」

 訝しむように兜を脱いだばかりの旅人をそれとなく探るような口調のエルフェスへ横槍を
入れるように、エルニャが口を挟む。

「見たいって言ってるんだから、旅の記念に見せたらどうよ?別に見たって減る物じゃな
いんだし」
「だがなあ、エルニャ……」
「何よ。見られちゃ悪い事でもあるの?」

 エルフェスは盛大に呻吟を吐いて答える。

「口で説明してわかるような場所じゃねえだろうが。案内しねえと行けねえような場所だ
ろうが。案内すンのめんど臭えだろうが」

 そう言い終わるや否や、エルフェスのみぞおちにエルニャの鉄拳が勢いよく沈み込む。

「もし旅人さんが良ければ、このナルシストを引きずって案内しますけど。どうです?」

 エルニャは満面の笑みを浮かべて、旅人の顔を見る。

「あたし、ルカって言います。初見でお言葉に甘えてしまって申し訳無いのですが、宜しく
お願いします!」

 黒髪のおさげを揺らしながら勢いよく頭を下げたルカに対し、エルニャは右手を差し伸べる。

「わたしはエルニャです。この隣で伸びてるナルシストの保護者です。宜しくお願いしますね」

 ルカはエルニャに右手を差し伸べ、軽く握手を交わした。

「で、このナルシストはエルフェ…………何してんのよ?」

 先程みぞおちを力いっぱい殴られたエルフェスは、目の前に立っているエルニャに寄り
かかって気絶していたハズなのだが、いつのまにか右手でエルニャの太腿辺りを軽く
撫でていた。

「ああ、今日のエルニャの品定めをな。シャンプーの香りが飛んでンのはいいが、昨日の
レイピアの練習中の様な汗臭さはねえ。が、これもこれでいい味出し」

 エルフェスが言い終わらない内に、エルニャの踵がエルフェスの頭上に落される。

「言い直すわ。この変態ナルシストはエルフェスって言うの。ロクでなしだけど、一応これ
でも近衛騎士長様らしいわ」

 らしい、と言う言葉を強調して、エルニャは目を回しているエルフェスを一瞥する。

「は、はあ……。宜しくお願いします、エルフェスさん」
「こいつをさん付けで呼んだら後悔するわよ。シモベか奴隷として扱った方がいいわ」
「はあ……」

 驚愕の色を隠せないルカは、心配そうにエルフェスを見遣る。

「宜しくお願いしますね、エルフェス」

 ルカは心配そうにエルフェスを見つめながら、そっと手を差し伸べる。

「ったく、痛ぇよ……一種の愛情表現だってのに……。宜しくな、ルカ」
「そんな愛情表現はいらないわ、返品よ返品!」
「生鮮食品は返品不可能なんだぜ?」
「あら、粗大ごみかと思ったわ」
「残念だったな」

 全快した様子のエルフェスは立ち上がって、踵を返して教会の出入り口扉へと向かう。

「ま、行くンなら準備して来い。あそこはペパン王国国境に最も近い場所だからな、体裁
だけでも武装しとけ。オレは鎧着てくるから、適当なトコでちっと待ってろ」

 心底面倒臭そうに自宅へと向かい始めたエルフェスを一瞥したエルニャは、ルカの手を
取って出入り口へと引っ張った。

「たまにはあのナルシストも正論言うわね。わたしも用意したいからちょっと家に寄るけど、
ルカはここでヒマを潰すしかないでしょ?だったら、わたしの家で何か飲んでてよ」

 エルニャはそうまくし立てて、ルカの手をぐいぐい引っ張っていく。

「そ、そ、そこまでお世話になる訳にはぁ!」
「大丈夫だって。遠慮しない遠慮しない!」
「わわっ、悪いですよ~うっ!」

 ルカの悲しい悲鳴を響かせながら港町デルリフェルツの教会の奥に密かに佇むエント神
像は、この港町デルリフェルツの教会を眺めていた。嬉しいような悲しいような、慈悲深そ
うだが無情とも取れる表情をして、ステンドグラス越しの朝日を一身に浴びていた。




2007.12.13(12:36)|新生ふぁいてぃんぐ!コメント(0)TOP↑
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最近は浩介とも名乗ってます。

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とは言いつつも、ゲームシナリオを書き続けAIONをし続ける日々。
すごく・・・謎ニートです・・・。

【GID治療】
男ホル注射さぼってます。
理由は、お外に出ると一日中頭痛と吐き気が止まらないから。
生き残りたい。

【スペック】
生年月日:平成元年4月28日
年齢:今年で22才
性別:フツーの兄ちゃん
その他:条件、眼鏡等。但しAT車に限る。
身長:ちみっこい
体重:一ヶ月で10kg痩せた
性格:
自称、ただのにーちゃん
他称、悪人、変態、など様々である。

【好きなもの】
おっさんキャラ。特にFF7のシドとうたわれのクロウとFFTのダイスダークは別格。ゼノギアスのジェサイアとシタン先生も好き。
ガタイのいい男キャラ
パラディン/クルセイダー
ROの女プリースト系のスリット
及び、女教授のふんどし。
アルベール・カミュ作品全般
シャルルマーニュ伝説
エッダ、カレワラ、ケルト神話。
ゼノギアスとFF全般
ベルセルクとクレイモア
3と9と11と10-2,12はやった事が無い。
FFTのダイスダークはおれの兄。シドルファスは俺のパパン。
アルルゥとアグリアスたんとゼノギアスのマリアたんとマルーたんと雛苺はおれの嫁。
誰が何と言おうと、死んでもアルルゥと雛苺だけは誰にも渡さん。
チェスも好き。紅茶も愛してる。
アールグレイとダージリンとセイロンウバとアップルティーとカモミールティーは最高だ。

【嫌いなもの】
和風スイーツ(笑)ほぼ全て。きなことかもう大嫌い。
とろけるチーズ嫌い。でもピザのチーズはセーフ。
チーズハンバーグとかチーズバーガーとかはアウト。
後、SFモノの作品もあまり好きじゃない。
和風ファンタジーもあまり好きではないかな。
後、女性の立場を上げよう!って団体も嫌い。もう十分じゃねーか。

正直どちらかと言えば和食派。
肉より魚派。
揚げ物より煮物派。
東京で行ってみたい所は浅草。
旅行に行きたい所は京都。テラへ。
半年以内に叶う夢は甲斐性のある男になる事。
これから先の夢は子供を持つ事。
野望は生涯焼きそばとスパゲッティーとさばみそへの愛を貫く事。しいたけも大好きだよ。愛してるよしいたけ。

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