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るべれてん 【 saylus : [根性] 】

[ジョブ]
サラリーマン
フリーライター
見習いカトリック信徒
エクソシスト

[レベル]
21

[称号]
割愛

[HP]
2051 / 5634

[MP]
315 / 645

 

 

 

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 ファンス・ライサントの機嫌は、最上級に悪かった。
彼は朝起きて朝食を取り、身支度を整えて出勤し雑務をこなした後
トレーニングをして昼食を取った後、午後は父親であるザーウスラ
ウト・ライサントが仕事をサボらないよう監視をし、その片手間に
溜まりきった書類に目を通し、必要とあらばサインをし、若しくは
若干変更を加えてあるべき所へ送り返し、そうして日が暮れたら仕
事を引き上げ、夕食を取ってパーシー達とカードゲームに興じ、い
い時間になったら睡眠を取ると言うほぼ毎日変わらぬタイムスケジ
ュールを乱されたので、とても機嫌が悪かった。
 そもそもの原因は、親友であるパーシーにある。
アンコナが『今日はお天気がいいから、一緒にお散歩でも行きませ
んかぁ?』と悠長に、かつ無責任に言われたら、『昼休みにでも行
け』と返答するのが当たり前だろうに。
ヤツには騎士としての常識がこれっぽっちも備わっていないな。
全く、イージス騎士団の訓練メニューはどうなっているのだ。
これは我がライサント王国の平和を守る為、我がブリューナグ騎士
団がイージス騎士団に介入せざるを得んな。よし、アンコナを捕捉
したらイージス騎士団の訓練メニューを熟考するか。
等とぶつぶつ呟きながら、ファンスはクェニカ谷を飛び回っていた。
いつものような、胸当てと軽鎧を着用せず、マントと布の服とソー
ドランスを装備して。
そして、右手には大きなバスケットを抱えて。


 アンコナ・ラツェンダの機嫌は、最上級に悪かった。
彼は朝起きて朝食を取り、仕事前にファンス団長の為にお花を数輪
摘んで総団長会議室に飾り、ファンス団長と一緒に一通りの訓練メ
ニューをこなして昼食を取り、ブリューナグ騎士団内の指揮を取り
ながらファンス団長の秘書業務をし、そうして日が暮れたら仕事を
引き上げ、夕食を取ってゴートンと新しく出た駄菓子の試食会を開
き、いい時間になったらゴートンと一緒に本を読んでぐっすり眠る
と言うほぼ毎日変わらぬタイムスケジュールを遂行する事が困難に
なったが故に、とても機嫌が悪かった。
 そもそもの原因は、自身が超の付く方向音痴だと言う事にある。
ヘンゼルとグレーテルのように小石を目印に落としていったが、途
中で見つけたチューリップやちょうちょさんに気を取られて落とし
忘れ、気が付いた頃には陸の孤島状態になっていてどうしようも無
かったのだ。
 そんな時は悩まないで、そのままそこで体操座りをしてお迎えを
待てと教えられていたので、アンコナは見知らぬ場所の日陰で、い
い子に体操座りをして待っていた。
いつものように、胸当てと軽鎧を装備し、マントもチュニックもソ
ードランスも装備して。
そして、右手には小さな花束を抱えて。



 全く、何故こんな事になったのだ。
大体からアンコナを一人で散歩に行かせる事が間違っているのだ。
どうしてもクェニカ谷に行かねばならん用事があるのならば、騎士
団長のクセにろくに仕事をしないパーシーか、その副官のゴートン
か、アンコナの副官のルフォン・ドゥ様に同行を頼めばよかっただ
ろうに。
 そもそも何故、アンコナは私に黙って外出したのだろう。
何か私に言えない事情でもあったのか?
もしそうだとしたら、何を隠している?
アンコナを見つけたら、詰問せねばなるまいな・・・。




 もう、何でこんな事になっちゃったんだろ。
ファンス団長に喜んでもらいたくって、こっそりお花を摘みに行こ
うって思ったのがだめだったのかなぁ。
やっぱり、ゴートンかパーシー団長か、ルフォン・ドゥ団長に一緒
に来てくださぁいって頼めばよかったかなぁ。
でも、ゴートンもパーシー団長も、ルフォン・ドゥ団長も忙しそう
だったしなぁ。けど、ファンス団長をお祝いしたいの、ぼくだけじ
ゃなかったから、お手伝いしてくださぁいってお願いすればよかっ
たのかなぁ。
ファンス団長に会ったら、ごめんなさぁい、どうすればよかったん
ですかぁ?って聞いてみようっと・・・。






 ファンスはバスケットを抱えつつ、クェニカ谷の裏側を歩いてい
た。
春の日差しはぽかぽか暖かくて気持ちがよく、デスクワークをして
いる時は常時きっちりと止めている首もとのボタンをはだけ、暖か
く程よい湿度の風を心地よく感じながら歩を進めていた。
 暫く歩いていると、やがて王都ディルアースから湧き出ている水
がこのクェニカ谷に零れ落ちる事によって出来た、クェニカ谷に無
数にある滝でも大きい方に数えられるであろう規模の滝に差し掛か
った。
ファンスはソードランスを取り出し、ここまでの道中で遭遇したモ
ンスターとの戦闘で血に塗れたソードランスを洗い始めた。
普段なら武器オタクのファンスは手入れ用のクロスやら研磨剤やら
を携帯しているのだが、今日は珍しく携帯していなかった。
だからファンスは自慢の武器、ブリューナグをざっと水洗いした後
汚れが無いか翳してみたり、角度を変えてじっと見ていた。
 暫くそうしていたが、不意にファンスは立ち上がり、右手でソー
ドランスの柄を持ったかと思うと右後方に思い切り投げた。
数秒間間があったが、やがて後方から「ぐぁっ?!」と呻き声が聞
こえたかと思うと、数人の男女が崖の上から顔を覗かせた。


「貴様ら、いつまでこそこそと隠れているつもりだ。
 水が飲みたければ、堂々とこちらへ来て仲良く憩おうじゃないか」


 ファンスがそう生真面目に言うと、そのグループのリーダーらし
き女性が口を開いた。


「ふざけろ。
 あたしらは水も欲しいが、お前の持ってる金も欲しくってね。
 身包み置いてとっとと失せな。そうすりゃ命だけは助けてやる」


 ファンスは首を傾げて返答する。


「はて、この格好を見れば軍人だと言う事がご理解頂けると思うのだが。
 ライサント王国の軍人は、余程の幹部でもなければ薄給だぞ。
 ・・・流石に、ザーウスラウト『総団長』の方針は、いくら貴様らとて
 知らぬハズは無かろう?」


 総団長、と言う所に敬意と侮蔑を含めて言い放った。
しかしリーダー格の女性はフンと鼻を鳴らし、ファンスを指差す。


「けど、あんたは『黒き翼の騎士』だ。
 流石にあのブリューナグ騎士団の騎士団長さんで、おまけに黒い翼と来ちゃ
 薄給なワケが無いだろ?」

「残念だが、本当に薄給なのだ。
 仕事以外に人生に楽しみが無くてな。金を持て余すよりは、と思い生活費以外全て
 お父上に譲渡している」

「そのあんたのオヤジに譲渡する分、そっくりそのままあたしらに
 分けてくれたらあたしらが恵まれるんだけどねぇ」

「それは出来ぬ相談だな。
 貴様達の様な数人の恵まれぬ外道を養って更生させてやるよりも、数多の恵ま
 れぬ外道を養って更生させてやった方が、得る物が幾倍にも増えるだろう」


 ファンスは懐から短剣、一度も使った事が無いミセリコルデを鞘
から抜いて構えた。


「で、あるからして。
 貴様ら少数の外道を、多数の外道にジョブチェンジしてやる。
 水を飲みたければ私に従え。
 さらば、与えられんと言う事だ」


 馬鹿にしたように見下して、リーダー格の女は言い放つ。


「あらあら、黒き翼の騎士団長サマはソードランス使いだと聞いて
 いたのに、いつからエルフの耳長野郎のような短剣使いになったんだかねぇ」


 女は周囲に目配せをし、大声で言った。


「あんたたち、このカラスをとっ捕まえちゃいなさい。
 仮にもこの王国の英雄サンなんだから、殺しちまったらタダじゃ
 おかないよ!」


 そう言って腕を振り下ろした女性の指示通り、あたりに数人ほど
居た男がファンスに襲い掛かる。
大口を叩いたものの、元々ファンスはソードランス使いであって短
剣使いではなかったので、相当な苦戦を強いられた。
 この武器がソードランスだったら素早くカタがついていただろう
に、ソードランスを投げてしまったのは誤算だった。
 そう、誤算だったのだ。
彼がソードランスを洗う際に見つけた敵は、ソードランスを投げら
れた敵ただ一人だったのだ。
敵を見つけた所まではいいが、ファンスはてっきり敵は一人だと思
い込んでいたので、ソードランスを投げてしまったのだ。


「・・・っ?!」


 敵の振り下ろした短剣が、脇腹を掠った。
ファンスは痛みに顔を顰めながらも、振り上げた短剣を敵の後背部
に突き刺す。
敵は呻き声を上げた後、どうっと音を立てて地に伏せた。
 傷ついた脇腹を手で押さえ、ファンスはまた敵と対峙する。
敵は目前にあと2人、そして崖の上の女が一人。
ファンスは崖の上の女が槍のようなものをつがえるのを見たが、こ
んな遠距離から間を詰めて攻撃するのは相当に隙があるだろう、彼
女をターゲットとするにはまだ早い。
そう思っていたのだが・・・。
 彼女の持っている奇妙な武器は、そのまま空で弧を描きファンス
を攻撃した。
飛び道具だと思って居なかったファンスはまともに食らい、地に膝
を着いた。
 そもそもの問題。
有翼種族であるハーミットは特性上弓等の飛び道具が使えないが為
に、そしてこのライサント王国は文明の進歩が余りにも遅かったが
為に、国を代表する軍人と言えど弓を知らなかったのだ。


「ぐっ・・・。何だ、これは・・・?」


 左肩に刺さった矢を見て、ファンスは呻く。
大体から武器が慣れぬ短剣だと言うだけでも分が悪いのに、見慣れ
ぬ武器による遠距離攻撃によってファンスは追い詰められていた。
 ファンスが歯を食い縛って痛みに耐えている中、ファンスを囲ん
でいた二人の男は武器を振り上げる。
鎧のおかげで、胴部分は大丈夫だろう。けれど、腕に振り下ろされ
たら・・・。
ファンスは焦燥感と痛みに苛まれながら、無理矢理左腕の盾を兼ね
た小手を掲げる。が・・・。


「かの者の刃は闇を突き抜け」


 突然崖の上から聞こえてきた声に反応して、ファンスを取り囲ん
でいた男は振り返り、崖の上の女は何かを見つけたのか、左方向に
弓を構える。


「我が敵、その血溜まりの中に沈めん・・・ヒャコイ!」


 詠唱が終わった氷魔法は、そのまま術者の手のひらに氷塊を作り
出して即座に術者の手元から離れた。
術者の手元から離れた氷解は空を切り、被術者の胸を貫く。
被術者は呻き声を挙げて、どうっと地面に倒れた。
そして、二度と起き上がる事は無かった。
 ファンス含め、その場に居た者は残らず不審がり、周囲をキョロ
キョロと見回した。
すると崖の上からひょっこり顔を出したのは、茶髪の少年だった。


「ファンスだんちょうをいじめてる人がいたから、わるいひとかなぁって思って
 ころしちゃったけど、やっぱりわるい人がいっぱいいたんですね。
 ちょっと待っててくださぁい、ぜんいんころしますねー」


 そう言って茶髪の少年、アンコナはゆっくりとソードランスを構
え、詠唱体勢に入る。
リーダーを殺された事できょどってしまった二人の男の内、一人は
完全に狼狽し、もう一人はファンスの喉に短剣を突きつけた。


「お、おい、お前の上司がどうなってもいいのか?!」


 そう震える声で脅すが、賊の手は新たな敵の出現により震えてい
た。


「こいつを傷つけられたくなければ、詠唱をやめてそこにじっとし
ていろ。いいか、少しでも詠唱したらこいつを殺すからなっ!」


 アンコナは困りきった顔でファンスを見る。


「ごめんなさぁい、ぼく、なんにもするなっていわれちゃいましたぁ」


 ファンスはフン、と鼻を鳴らして言い返す。


「そうだな。
 何もするなと言われて大人しくするなんて、アンコナは偉いな」


 余裕ぶった態度を取る人質を賊はきっと睨むが、ファンスは同じ
調子で続ける。


「アンコナ、私からも命令する。
 そこにじっとしていろ」


 ファンスは少し俯いて二言三言呟いた後、痛みに顔を顰めつつ肩
に刺さった矢を抜いて、面を挙げた。


「アンコナが何も詠唱しなければいいんだな。そうかそうか。
 では、私が代わりに詠唱して貴様らを生け捕ってやろうか」


 そう言ってファンスは後ろに飛び退き、黒い翼を広げて羽ばたいた。
その羽ばたいた勢いをそのままに、賊二人に切りつける。
切り付けられた賊は呻き声を上げて倒れた後、地に伏せた。
 矢を抜いたばかりの左肩は既に傷が塞がり、敗れた布地から見え
る肌は傷一つ無かった。


「私は魔法は苦手でな。
 あまり、使いたくはなかったのだが・・・」


 ファンスは今しがた攻撃した賊に短剣を突きつけた。


「黒い翼は飾りではない。
 もし貴様らが歯向かうのなら、このまま塵にさせていただくが?」

「ご、ごめんなさい、もうしませんっ!」


 地に伏せた賊は、足を血だらけにして涙と鼻水でぐじゃぐじゃの
顔で答えた。
ファンスはふうっとため息を漏らし、短剣を腰の鞘に戻す。


「アンコナ、私のソードランスをとってくれ」

「はぁい、わかりましたぁ」


 にぱっと笑って最初に倒した賊の元へ行ったアンコナは、賊の死
体を足蹴にしてファンスのソードランスを引っこ抜き、小さな翼で
ぱたぱたと羽ばたいてファンスの元へ行った後、アンコナはファン
スにソードランスをどうぞってした。


「もってきましたぁ」

「うむ、いい子だ」


 ファンスはアンコナの頭を数度撫でた後、やはり険しい顔を崩さ
ずに言う。


「しかし、迷子になったらその場でじっとしてろと言っただろう。
 何故離れた?」


 アンコナは狼狽して言う。


「え、だ、だって、おなかすいてて、おいしそうなにおいだなぁっ
て思ったら
 バスケットがあって、だれのかわからないものをたべちゃだめっ
ておもって、
 だれのかなぁって思ってさがしてたら、ファンス団長がわるいひ
とにいじめ
 られてたから・・・。ひっぐ、えっぐ・・・ごめんなさぁい・・・」


 最後だけ嗚咽交じりで答えた後、アンコナは俯いて涙を拭った。


「構わん、今回は私も助かったからな。
 だから、今回は正しい出会い方をシミュレートして無かった事にしよう。
 それでいいか?」


 ファンスがアンコナにそう優しく語り掛けると、アンコナは数度
首を上下に振って答えた。
 ファンスは賊をロープで固定した後、血まみれのソードランスを
手に泉へ向かった。
アンコナもまた、ファンスを見習って崖の上へぱたぱたと飛んでい
くのであった・・・。




- Take1 -


 ファンスはソードランスを取り出し、ここまでの道中で遭遇した
モンスターとの戦闘で血に塗れたソードランスを洗い始めた。
普段なら武器オタクのファンスは手入れ用のクロスやら研磨剤やら
を携帯しているのだが、今日は珍しく携帯していなかった。
だからファンスは自慢の武器、ブリューナグをざっと水洗いした後
汚れが無いか翳してみたり、角度を変えてじっと見ていた。
 暫くそうしていたが、不意にファンスは立ち上がり、ソードラン
スを持ったまま後ろの崖を振り返った。


「出て来い。
 貴様、何者だ?」


 ファンスがそう呼びかけると、崖の上からアンコナが顔を覗かせ
る。


「こんにちはぁ。
 ぼく、アンコナ・ラツェンダです。
 わるいハーミットじゃないですよー、いいハーミットですよー」


 アンコナはにぱっと笑って答えた。


「そうか、いいハーミットか。
 ならばこちらへ来て、水を一緒に飲まないか?」


 ファンスが崖の上に手を差し伸べるとアンコナは両手を上げて喜
んだ。


「わぁい、おいしそうなおみずだなぁ。
 一緒にのみましょっ」


 そう言ってアンコナはぱたぱたと崖の上から降り、ファンスの隣
に跪いて手で水をすくって飲み始める。
暫く黙ってみていたファンスだったが、不意に短剣をアンコナの首
元に当てた。


「失格だ。
 警戒心も猜疑心も無さ過ぎる。
 少しは人を疑うと言う事を覚えろ」


 ファンスが短剣を突きつけているにも関わらず、アンコナはにぱ
っと笑う。


「やだなぁ、ファンスだんちょ。
 ぼく、ちゃーんとおべんきょうしてますよぅ」


 そう言ってアンコナはファンスの足元を指差し、ファンスはそれ
につられて足元を見る。
そこには、黒くて粘着性のある液体が広がっていた。


「動けなきゃ殺し様がないですよね。
 トリモチでうごけないようにしてから、拷問がてらじわじわとい
じめたほうが
 いいってちゃぁんとおべんきょうしましたよぅ」


 相も変わらずにぱっと笑って、アンコナは答える。
いくら動けどトリモチを外せないのでだんだんと冷や汗を流し始め
たファンスに向かって、アンコナは更に続ける。


「じゃあ、これから拷問の実習のおべんきょう、はじめまぁす。
 ちょっといたいけど、がまんしてくださぁい」


 俯いて呪文を詠唱し始めたアンコナに本能的危機感を感じたファ
ンスは、トリモチに囚われたままのブーツを脱ぎ捨ててアンコナを
殴って詠唱をやめさせた。
 詠唱を止めた際に誤発動した魔法により、トリモチどころかブー
ツまで跡形も無く焼け落ちてしまった所を見れば・・・。仮令ファ
ンスだったとしても、ただでは済むまい。
ファンスは犠牲となったブーツに黙祷を捧げると共に、犯人である
アンコナにたっぷりお説教をしてテイク2へと行くことになった・・・。




- Take2 -


 ファンスはソードランスを取り出し、ここまでの道中で遭遇した
モンスターとの戦闘で血に塗れたソードランスを洗い始めた。
普段なら武器オタクのファンスは手入れ用のクロスやら研磨剤やら
を携帯しているのだが、今日は珍しく携帯していなかった。
だからファンスは自慢の武器、ブリューナグをざっと水洗いした後
汚れが無いか翳してみたり、角度を変えてじっと見ていた。
 暫くそうしていたが、不意にファンスは立ち上がり、ソードラン
スを持ったまま後ろの崖を振り返った。


「やぁ、いい天気だな」


 崖からひょっこり顔を覗かせたアンコナが答える。


「うんうん、いい天気ですねー。
 こんなにおてんきがいいと、ぼく、ねむくなっちゃいます」


 ふぁ、と一つ欠伸をし、アンコナは崖の上で伏せた。


「そうだな、私も眠いな。
 ・・・が、それ以上に腹が減った。
 おべんとうを食べてから、昼寝をするか」


 アンコナは顔を輝かせて答える。


「え、ファンスだんちょ、おべんとうもってきたんですかぁ?
 ぼくもおなかすいたなぁ、たべたいなあ。
 一緒にたべましょうよぅ」


 おっべんっとおー、おっべんっとおー♪と口ずさみながら、アン
コナは上機嫌に答えた。そんなアンコナを見て、ファンスも微笑み
ながら答える。


「ああ、いいとも。
 こっちに来い、一緒に食おう」


 そう言ってビニルシートを広げ始めたファンスに向かってぱたぱ
たと飛び寄ったアンコナは、鼻歌交じりにお弁当を広げる作業を手
伝った。

 暫くして、ビニルシートの上におにぎりやらたこさんウィンナー
やらうさぎさんのリンゴやらを広げ終わったアンコナとファンスは、


「いっただっきまぁす♪」


 と声高らかに宣言した後、ファンスお手製のお弁当にぱくついた。


「合格点だ。
 自然物、例えば泉やわけび等を勧められたらまず疑え。
 製造物、例えばおべんとうやクッキー等を勧められたら、まず食え。
 それが、我がブリューナグ騎士団の鉄則だ」


 冗談としか思えないような鉄則を言い出したファンス騎士団長に
対し、当然の如く突っ込むハズもなくアンコナも同意する。


 おにぎりやサンドウィッチの山を平らげ、食後のアップルティー
も飲み終わった所でファンスはアンコナを見遣って言った。


「で、だ。
 何故、私に黙って外出をした?」

「え、えっと、そのぉ・・・」


 アンコナは腕を組んでうーん、うーんと一頻り考えた後、手をぽ
んと打ってファンスを見た。


「ファンスだんちょ、ちょっと待っててくださぁい」


 そう言うや否や踝を返し、日陰に置いていた花束を取って戻って
きた。


「・・・花束がどうした?」


 訝しみつつ返答したファンスに、アンコナはにぱっと笑って続け
る。


「おたんじょうびおめでとうございまぁす、ファンスだんちょ!」


 花束をどうぞってしながら、アンコナはそう言った。
ファンスは一瞬面食らった顔をしたが、暫くして、


「・・・あぁ、そう言えば今日は私の誕生日だったな。
 ありがとう、アンコナ」


 と言って、花束を受け取ったのだった。





 ファンスはアンコナと暫く談笑した後、日が暮れかけた頃に賊を
引っ張って王都ディルアースへと戻ったら、サボりにサボッて機嫌
が良かったザーウスラウト総団長に小一時間説教をして誕生日をパ
ーシーと愉快な仲間達に祝われたのは言うまでも無い。









ザ・反省。

本当は火曜日に公開する気だったんだけど、思いの外全く時間が取れなくてむきーっとなって適当に仕上げました。
後半雑なのは仕様です。




2008.11.28(00:10)|ショートストーリーコメント(0)TOP↑
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理由は、お外に出ると一日中頭痛と吐き気が止まらないから。
生き残りたい。

【スペック】
生年月日:平成元年4月28日
年齢:今年で22才
性別:フツーの兄ちゃん
その他:条件、眼鏡等。但しAT車に限る。
身長:ちみっこい
体重:一ヶ月で10kg痩せた
性格:
自称、ただのにーちゃん
他称、悪人、変態、など様々である。

【好きなもの】
おっさんキャラ。特にFF7のシドとうたわれのクロウとFFTのダイスダークは別格。ゼノギアスのジェサイアとシタン先生も好き。
ガタイのいい男キャラ
パラディン/クルセイダー
ROの女プリースト系のスリット
及び、女教授のふんどし。
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3と9と11と10-2,12はやった事が無い。
FFTのダイスダークはおれの兄。シドルファスは俺のパパン。
アルルゥとアグリアスたんとゼノギアスのマリアたんとマルーたんと雛苺はおれの嫁。
誰が何と言おうと、死んでもアルルゥと雛苺だけは誰にも渡さん。
チェスも好き。紅茶も愛してる。
アールグレイとダージリンとセイロンウバとアップルティーとカモミールティーは最高だ。

【嫌いなもの】
和風スイーツ(笑)ほぼ全て。きなことかもう大嫌い。
とろけるチーズ嫌い。でもピザのチーズはセーフ。
チーズハンバーグとかチーズバーガーとかはアウト。
後、SFモノの作品もあまり好きじゃない。
和風ファンタジーもあまり好きではないかな。
後、女性の立場を上げよう!って団体も嫌い。もう十分じゃねーか。

正直どちらかと言えば和食派。
肉より魚派。
揚げ物より煮物派。
東京で行ってみたい所は浅草。
旅行に行きたい所は京都。テラへ。
半年以内に叶う夢は甲斐性のある男になる事。
これから先の夢は子供を持つ事。
野望は生涯焼きそばとスパゲッティーとさばみそへの愛を貫く事。しいたけも大好きだよ。愛してるよしいたけ。

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